2006年4月17日発行

時代に逆行!県議会

県議 大野ひろみ

 3月議会は、1年間の予算を決める大切な議会です。ところが始まってみれば、二つの条例案が争点となり、最大野党の自民党が「数の力」にものを言わせ、時代に逆行する結果となりました。こんな議会でいいのでしょうか…。

予算には賛成

2006年度一般会計当初予算
1兆4268億1600万円
(前年度比0.8%減額)
 

 総務費、土木費など軒並み減額となっている中、福祉関係の民生費だけは9.8%という大幅な伸び。これを評価し、予算案には賛成しました。ただし、八ッ場ダム建設事業など、大型公 共事業の見直しをするよう指摘。今後も言い続けていきます。

初めて予算委員に


「県女性センターを潰すな!!」 3月31日、柏駅前で抗議行動

 予算委員会(3/15〜17)は3日間、毎日質問できます。持ち時間は会派人数割りのため、私の時間は毎回わずか17分。千葉テレビで中継されました。
 質問項目は以下の通りです。

◆国の直轄事業(八ッ場ダム等) への県負担金が、県の財政を 圧迫しているので、廃止を含 めた見直しを。 ◆小児慢性特定疾患に対し、千 葉県独自の助成制度の復活を。 ◆耐震偽装事件が二度と起きな いよう、すべての建物の中間 検査をすること。また県独自 の「住宅検査官」の養成を。 ◆新しい山武郡の医療構想と医 師不足について。 ◆印旛沼を汚す市街地からの汚 濁物質について調査開始を。 ◆佐倉市で始まる、東京23区の コンビニの売れ残り弁当等を 使った食品リサイクル事業について。

「障害者差別をなくす条例」のどこが悪いの?

 障がい当事者などたくさんの県民が関わり、1年半の検討を重ねて作られた「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例案」。この条例案は差別をする側を罰するというより、「なくすべき差別」を具体的に示して、障がい者への理解を深めるためのものです。しかし自民党は「悪質な差別の公表はいかがなものか」「学校や職場で混乱が起きる」など反対理由をいろいろ並べて、「継続」にしてしまいました。

県女性センターが閉鎖に!

 柏市には県内でただひとつの女性センターがあります。年間約5000件の相談業務をこなし、講座やイベントで県民に親しまれてきましたが、突然3月31日に閉鎖されてしまいました。 「男女共同参画センター設置管理条例案」を自民党が否決してしまったからです。「男女共同参画は優先順位が低い」という理由ですが、男も女も一緒に子育てや仕事に参加しなければ、これからの少子高齢社会は乗り切れません。女性センターを増やすどころか、消滅させてしまった自民党の責任は重大です。

弱者の立場に立った県議会に!

 障がい者も女性もかえりみられない結果となった今議会。弱者切り捨てと言われても仕方がありません。こんな議会を変えるには、一党独裁をなくすことが先決。来年の統一地方選挙が絶好のチャンスです。議会の構図を一票の力で変えましょう! 


2月市議会報告(2/21〜3/17)

市民にきびしく 企業に甘い 新年度予算に反対

公共事業を見直し、福祉や教育を大切にする市政を

なぜ市の財政は苦しいの?

新年度当初予算は一般会計355億2500万円(前年度比1.7%減)、
特別会計332億2800万円(5.8%増) 

 地方分権で、市へ任される仕事が増えていますが、それを行うだけの税源移譲はされていません。
「三位一体改革」により、国からの補助金・交付金・交付税などは、平成16年から18年までの3年間で、約16億9千万円減額。一方、税源移譲された額は約9億5千万円で、実質7億4千万円が減ってしまいました。

市民生活を直撃する増税の目白押し

資料1 高齢者非課税枠の廃止、国民健康保険税の値上げ、介護保険料の値上げ、指定管理者制度の導入による公共施設の使用料の値上げなど、市民にとって、これまでにない大増税です。国保税を滞納すると保険証を取り上げられ、資格証明書が渡されます。その場合、病院で全額支払いを強いられます(資料@A参照)。
 私たち市民ネットワークは、病気や障がいを持った時に安心して医療を受けるために、不足分を税の投入によって維持すべきであると主張しました。また、所得に応じて、税額の累進性を高めることを提案しました。
 18年度には定率減税の2分の1が廃止され、19年度には全廃になります。所得税、個人住民税の税率構造が変えられ、高額納税者には優遇、低所得者には厳しい負担となり、所得格差が広がっていきます。


資料2

住民福祉のために税金は使われているの?

資料3 国の政策の結果、財政状況が厳しいのは、どこの自治体も同じです。限られた財源で、いかに住民福祉を維持していくかが問われています。
 私たちは憲法によって、健康で文化的な生活を営むことが保障されています。そのための公的サービスに税金が正しく使われているかが大事なポイントになります。しかし、今後5年間の後期実施計画の数値でいえば、教育・福祉の分野は50%以上の削減率です。各種福祉サービスは、「住民福祉の向上」どころか「切り捨て」へと向かっています(資料BC参照)。


資料4

佐倉市「集中改革プラン」は国のミニチュア版

 地方分権と言いながら、小泉内閣のいう「痛みを伴う改革」を、そのまま反映させた佐倉市「集中改革プラン」。市の今後5年間の赤字解消に59億円の削減が必要とされ、市民サービスを削りに削って、その効果予想額は約86億円。  
 その一方で、「市民にも痛みを分け合ってもらう」と語る市長や議員の報酬は、自らの「痛みを伴わない程度」にしか削減しないという不誠実さです。

行政のための「市民協働」?

資料5 5年間で職員数は122人削減される予定です。現在の人数 1111人の約11%にあたり、総務省が示す4.6%を、はるかに上回る削減です。しかも、19年度以降の新規採用は凍結です。佐倉市は現在でも県内で住民一人あたりの職員数が最も少ない自治体です。この影響は、市民サービスの低下としてはね返ります。
 そこで市は、「市民協働」によって公的仕事を安上がりに請け負わせることを提案しています。その「市民協働」とは本来
の市民参加ではなく、職員削減分は市民が働くという意味が含まれています。重要な政策や計画づくりは行政がするので、市民には汗を流してほしいということです。連絡長制度が廃止になったとしても、市民が主役の「市民自治」とはかけ離れた認識であり問題です(資料D参照)。

福祉サービス切り下げの一方で、企業や銀行に甘いのはなぜ?

資料6 すべての福祉サービスに「受益者負担」を持ち込むことは、低所得者などの社会的弱者への配慮に欠けています。
 一方、誘致企業への新たな優遇策として助成金を出し、法人税や固定資産税が免除されます。また、開発業者が中心に進める土地区画整理事業への助成金が盛り込まれました(資料E参照)。
 寺崎特定土地区画整理事業では、現時点ですでに40億円の赤字が見込まれます。事業主体である都市再生機構は、全国の赤字を抱えるニュータウン事業に対して応分の負担を自治体へ要求する方向です。私たちは早急に機構と協議を行い、事業内容を見直すよう求めました。
 佐倉市振興協会は、銀行から多額の借り入れを行い、経営は破綻状態です。私たちは、振興協会の経営責任や銀行の貸し手責任を問うべきと主張してきましたが、市は、その債務相当額(約7億8千万円)を損失補償する契約を、銀行と結びました。
 大林組が開発を断念した下志津・畔田用地については、私たちは実勢価格1億2600万円で購入するよう求めました。しかし、市は3月に3億8500万円で購入する仮契約をしてしまいました。
 岩名運動公園拡張工事でも、総事業費約7億4000万円が予定されています。

私たちのめざす市政

 昨年に続き、各部ごとに一律12%カットを義務づけることによって、本当に必要とするところへの予算が薄くなってしまい、社会的な弱者がその影響をまともに受けています。
  私たちは、財政削減のみを先行する予算編成と行政改革を根本的に見直し、教育と福祉に重点をおいた施策に税の投入を求めていきます。


特別養護老人ホームで一緒に体操(市民ネットワーク福祉部会)


やった〜! 食品安全条例制定 --遺伝子組み換え作物交雑防止--

小高純子

BSE、鳥インフルエンザ問題などで消費者、生産者の食品の安全性に対する関心が高まっている中、3月県議会で「千葉県食品等の安全・安心の確保に関する条例」が制定されました。

市民参加が生きた条例

 昨年、食品安全条例を制定してほしいという生協・消費者の声を受け、千葉県は条例検討作業部会を立ち上げました。メンバーは学識経験者、生産者、消費者、一般公募も含まれています。
条例制定の過程では、検討作業部会での議論をまとめたものを3カ所のタウンミーティングで発表し、そこで生産者や消費者から意見・要望が出され、条例に反映されています。
 特長は、食品はすべて安全とは言い切れないという考えに立っていることです。情報や意見交換などを行うリスクコミュニケーションを促進し、関係者が共通の認識を持つことを基本理念とし、それを県の責務としています。

遺伝子組み換え作物に一定の歯止めが


道路沿いの、見た目はなんら変わらない
遺伝子組み換えナタネ

 また、消費者からは特に遺伝子組み換え食品・作物に対する不安の声が大きかったことから、遺伝子組み換え作物と一般作物・植物との交雑の防止に関し、必要な措置を講ずるとあります。
 遺伝子組み換え食品・作物は厚労省が一応安全と認めているので県が作付けを禁止する条例はできませんが、交雑防止策は可能です。これで千葉県では試験栽培、商業栽培ともに実質、作付けが難しくなります。

菜の花調査

 一昨年、市民団体の調査で、鹿島港に輸入陸揚げされ、千葉市の搾油工場にトラック輸送される途中でこぼれた菜種が自生していることがわかりました。輸入ナタネの80%は遺伝子組み換えされています。
 そこで昨年は、市民ネットワークでも調査をし、佐原市の国道51号線沿いと千葉港で、自生している遺伝子組み換えナタネを見つけました。今年も検査キットを使い、調査します。心配されているのは、これら自生している遺伝子組み換えナタネと一般作物との交雑です。この条例により、交雑防止への道が開かれることを期待します。


コラム 憲法  (4)<憲法24条 男女平等>

 婚姻は両性の合意のみに基づくこと、また夫婦が同等の権利を有することを謳った24条は、第二次大戦の反省から設けられました。戦前の日本では家父長制度のもと「男は国を守り、女は家を守る」という性別役割分担が軍国主義を助長し、戦争へと駆り立てていったのです。9条が「国家の暴力(戦争)を否定する」ものなら、24条は「配偶者への暴力(DV)を生み出す支配の構造を否定する」ものであり、二つは切り離せません。
 しかし、最近、自民党の改憲派を中心に、再び男女の性別役割分担を強調した「家族の見直し」論が幅をきかせ始めています。彼らはとかく「24条のせいで家族が崩壊した」と主張しますが、家族の姿は時代によって変化してきているだけであり、崩壊は別問題です。しかも、これからは男女がともに子育てや仕事に参加しなければ、超少子高齢社会を乗り切ることなどできません。
 強者の側に立った社会には支配の構造が生まれ、暴力へと走りだします。しかし、弱者(女、子ども、障がい者、高齢者など)の側に立てば、優しい平和な社会に近づきます。
 千葉県自民党が3月議会で、障がい者や女性をないがしろにするような決定をしたのは、まさに強者の論理の象徴であり、24条をもないがしろにしたと言えるでしょう。                 

大野ひろみ



「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉
県づくり条例」の制定を

ひしの実中邨淑子

 2004年に千葉県が「障害者差別をなくすための研究会」を立ち上げました。
 9月に「障害者差別に当たると思われる事例」の応募があり、私は知的障がいのある息子に代わり、障がいが理由で地域であたりまえに暮らすことの困難さを書きました。条例の実現を願い、05年に行われた20回にわたる研究会の検討内容や、最終報告の取りまとめに注目してきました。
 当事者の意見を反映させるために、当事者主催のミニタウンミーティングが県内各所で30回行われ、佐倉では20人が参加しました。どの会でも、当事者から時間が足りないほど多くの意見が出され、条例制定を求める願いが満ちあふれていました。
「障がいがあっても分け隔てられることなく、地域の友達と一緒に楽しい学校生活を送りたい、高校にも行きたい、仕事をして、親からも自立し、障がいのない人と同じように生活をしたい」。それには地域の方たちが障がい者を理解し、違いや個性を認め合える社会を作っていくことが不可欠です。
 障がいのある人もない人もお互いを理解し合うことがこの条例の基本です。障がいを持つ子の親として、心からこの条例の制定を願います。

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