工藤 啓子
KUDOU KEIKO


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2月議会(討論から)  (2008年)

市民ネットワークを代表し、平成20年度予算に関わる議案第1号2号、第5号6号、第8号、10号11号、平成19年度補正予算に関わる議案第12号13号、16号17号18号、条例制定に関わる議案第21号〜26号、第28号29号、第34号〜36号、第45号、47号、48号に反対の立場から、また、請願第16号、陳情第12号14号の趣旨に賛成であり、委員長報告に反対する立場から討論を行います。



 はじめに平成20年度予算についてです。
国の三位一体改革により不十分な税源移譲がもたらした地方財政へのしめつけ、高齢者や勤労者世帯への増税、小さな政府路線にそって行われた障がい者自立支援法の成立、介護保険法の改定による社会保障制度の削減や縮小、医療制度改革がもたらした後期高齢者医療制度の創設、それに伴う特定健診・特定保健指導の導入など、地方分権とは名ばかりの制度改悪の結果が20年度予算編成に色濃く表れています。
 今後も国の社会保障制度が後退し続けるのであれば市の福祉関係予算は増大しつづけ、それを防ごうとすれば、ますます高齢者や障がい者、生活困窮者への支援は削減されていくという悪循環におちいる危険性があります。
 これまで、国からの通知通達に沿って粛々と事務事業を進めてきた地方行政というスタンスを根本的に変えることが必要です。佐倉市の住民の生活実態を把握し、住民の生存権を守るという地方自治本来の地点に立ち返り、国に意見し、その責任を問い、同時に自らの事務事業のあり方を精査していくことを強く求めます。

 予算に対しては、5点にわたり反対意見を申し上げます。

1点目、予算編成における歳入歳出の見積もりの精度についてです。毎年10月に予算編成方針が出されますが、歳出カットの方法が従来からの数字あわせの手法から抜け出ていません。とくに臨時的経費の各課からの見積もりですが、後期実施計画の概算額をそのまま計上していることから当然歳出オーバーになります。そこを埋め合わせるために、基金繰り入れと臨時財政対策債を追加するという方法をとっています。さらに、一般会計から特別会計への繰り出しについても「法定繰り出し」といいながら、事実上は歳出にあわせた金額をいれるという方法であり、特別会計の意味をなしていません。必要なところに税金をまわしていくために、より精度の高い予算編成をおこなう必要があります。

2点目は、後期高齢者医療制度の創設に伴う、一般会計からの持ち出しの増、国民健康保険特別会計、老人保健特別会計、介護保険特別会計への影響の問題です。
国の制度改悪による地方へのしわよせがこれらの制度に如実に現れています。今回、一般会計では、総額で2億1254万円の負担増となり、国民健康保険では老人保健会計への繰り出しが減額する分8506万円の減となっています。
しかし、現状でも月に100人ほどのペースで後期高齢者は増加しており、それに伴う医療費の増、特定健診受診率へのペナルティという流れの中で今後、国保財政は逼迫していきます。また、75才以上の方が国保会計から抜けていくことで国保税の滞納率が上がっていきます。現状の年代別滞納者は被保険者数約3万1700人中6762人の約2割であり、40代以下の若年世帯が圧倒的です。歳入基盤が成り立たない状況が生まれる危険性もあります。同時に、保険料を支払えない方たちは医療から閉め出される構造が生まれます。このままでは、国民皆保険制度は崩れ去り、多くの医療難民が生み出されていきます。このような悪影響を生み出す後期高齢者医療制度に関わる各予算に対して反対致します。

3点目は、今後の福祉関係予算の増加に対応する財政構造や市の組織体制づくりへの意識が各部ばらばらであることの問題です。特に、歳入増をどうするのか、さらに今後の佐倉のまちづくりの方向性についても、商業・工業・農業や雇用問題の重要な要になる経済環境部と企画政策部の足並みが全くそろっていません。
個人市民税が今年は見込みより大幅に少なくなりました。あきらかに市民の担税力は低下しています。そして、今後も増加する見通しはありません。一方で、法人市民税は、順調な伸びをしめしています。中小企業の育成支援をはかりつつも、力のある企業には応分の負担を求め、法人市民税の段階的見直し等歳入確保の方策を早急に検討すべき時と考えます。

4点目は、公の責任で行うべきことを財政的な理由から民間へそのまま投げ出していることの問題点です。「市民協働」という耳障りのよい言葉で安上がりの行政サービスの提供を行っていく方向性が見え隠れしています。真の市民自治は、政策決定からの市民参加であり、その前提として行政は積極的に情報開示や市民との意見交換を行い、情報の共有化をはかることが求められます。さらに自治会活動は本来、自発的に行うべきものであり、地縁団体に対して支払われる自治会町内会振興交付金や行政からのお願いや働きかけで創設される街づくり協議会交付金という予算の付け方には反対致します。

5点目は、「志津霊園道路問題」や「寺崎特定土地区画整理事業」という過去から引きずる様々な課題やそこに含まれる矛盾について、透明性と説明責任が果たされていない点に反対致します。いずれも今後の佐倉市の財政に大きなウェイトを占める事業であり、予算の付け方や事業のあり方等、問題点も含めて市民に明らかにする必要があります。

続いて補正予算に関してです。
勝田台長熊線志津霊園関連区間整備事業に関わる債務負担行為については、金額の定めのない提案であること、加えて、今後の交渉過程について市民への説明も市民意見の聴取も行うつもりがないという市の姿勢に対して反対致します。土地収用制度を用いることを交渉上優位に立つ手段として使うことは、間違いです。交渉についてはその内容も含めて常に透明性が求められます。権力でねじ伏せる交渉は、これまで、本昌寺が市に対して取った方法であり、単に力関係が逆転しただけであって、交渉内容はやはりブラックボックスのままです。税金の使い方について説明責任と透明性、市民意見の反映を求めます。

議案第22号と23号は、佐倉市の行政組織の変更に関わる議案です。
福祉部を2分し、健康子ども部を設置することにあわせて、各部各課の組織を大幅に縮小していく内容となっています。佐倉市の行財政改革である集中改革プランによって職員数が5年間で約10.9%削減されます。この相当数の人員削減にあわせて現在の47課を10.6%削減の42課体制にしていく計画です。原案は行政管理課が作成し、各部からの職員で構成された組織検討委員会で決定したと言うことですが、業務内容の精査は後回し、各課には決定後に通知され事務分掌のすりあわせはこれからです。つまり、市民サービスへの影響についての精査は二の次でまず人員削減ありきの提案となっています。

さらにこの議案は第26号任期付職員の採用に関する条例および第28号職員の勤務時間、休暇等に関する条例とも連動しています。これらの条例改正は、平成14年に改正された「一般職員の任期付職員に関する法律の一部改正」に沿った条例改正です。背景には「民間に委ねるものは民間に」という公務サービスの可能な限りの市場化と直営部門として残る部の労働コストの可能な限りの削減があります。
民間ではコスト削減のために既に労働者の不安定就労が常態化し、企業の都合で雇用の調整ができる派遣や、契約、フリーターが急増しています。今後は、公務員にも同様の雇用形態を導入しようという制度です。現在の佐倉市の臨時職員数は、保育園では全職員の3分の2、通常の業務でも3分の1近くとなっていて、既に多くの不安定雇用者が市の公務サービスを担っている実態があります。これらの臨時職員の方たちが、この条例改正で救われるわけではありません。今後、たとえば公的施設の民営化導入という雇用形態の変更が見込まれるときや国体等のイベント対応など、新たな雇用が必要となったときに、条例による採用形態が可能になるということです。そして、期限が3年以内もしくは5年以内という期間限定で再雇用はありません。まさに使いたいときだけ使い、あとはなんの保障もないという労働者の人権を全く無視した雇用形態です。
以上の理由から、議案26号・28号についても反対します。

議案第24号は、行政手続き等のオンライン化に関わる条例ですが、補正予算の住民基本台帳ネットワークシステムのカードの普及発行とも関連して反対致します。
国家戦略としてのe-Japan戦略に基づいてオンライン化法が平成15年から施行されていますが地方公共団体ではシステム整備や条例制定等の必要な措置を講ずるよう求められています。利便性や手続きの簡素化が謳われる一方、本人確認として今後使われる11桁の住民コードの問題、自己情報のコントロール権、さらに自治体内にあるセンシティブ情報の具体的な管理や個人情報の名寄せの禁止、なりすましや代理人申請に伴う認証問題など電子自治体に対応した個人情報保護の体制ができていない問題があることから反対です。

議案第25号は4月から導入される「さくらんぼ園」や「よもぎの園」の指定管理に伴う条例改正であることから反対します。

議案第36号佐倉市市民花火大会基金条例に関しては、基金創設により「花火大会」を常態化していく方向に反対致します。財政難を理由に人件費の削減や福祉関係予算の見直し、手数料使用料の有料化など受益者負担が導入される中で、花火大会に年間3000万円という税をかけることの意味を改めて問い返したいと思います。花火大会の開催は、市が主催で行うのではなく、民間企業や市民が主体で行い、補助金形式で関与する形態にすべきであると考えます。

議案第45号は教育委員会の委員任命についてです。佐倉市は、4年前に「義務教育に在学中の保護者枠」しかも「公募」という方式で教育委員採用を行いました。これは大変先進的な人事であり、評価出来るものでした。しかし、今回は、「公募」採用という部分について全く踏襲されていません。「学識経験者」ではない「保護者枠」の教育委員については市民に開かれた「公募制」を取るべきと考え反対致します。

議案第21号29号、34号35号、第47号48号、請願第16号、陳情第12号は後期高齢者医療制度に関わる議案や請願陳情です。
4月から開始される後期高齢者医療制度が高齢者に過大な負担を強いていることから、制度導入に伴う各条例改正には反対し、制度の撤廃を求める意見書を自治体として国にあげることに賛成いたします。特に47号と48号は国民健康保険制度の中で、70才から74才の現役並み所得者の窓口負担の3割導入、後期高齢者医療制度の支援金の徴収額を別立てとして、総額の上限額も53万円から59万円にあげるという内容です。
現在、国会の場においても野党4党が衆議院へ「廃止法案」の提出をおこないました。日本医師会をはじめとする現場の医師の多くも反対の意見表明をしています。佐倉市議会においても世界に例を見ない年齢差別による医療制度改悪に反対の決議をあげるべきと考えます。

陳情第14号は小学校就学前までの医療費無料化を自治体の財政力によらず全国一律に保障するため国が制度を作るべきであるという趣旨の陳情です。現在、多くの自治体が自助努力で無料化制度の上乗せをしています。佐倉市もこの4月から就学前の子どもたちの医療費は無料としました。しかし、国は、上乗せ分に対して、特別調整交付金という形でペナルティをかけています。頑張っている自治体をひきおろそうとする内容で、少子化対策とは相反する政策を行っています。こうした国の姿勢に対しても住民の福祉向上を目的とする地方自治体として意見をあげていくべきであり、陳情に賛成いたします。

最後に反対ではありませんが、議案第41号〜43号の岩富地区、QVCの敷地内にある道路の廃止および認定に関して意見を申しあげます。
認定は、昨年3月に解散した佐倉市振興協会の土地を取得し開発行為によって整備した区域内道路について行っています。しかし、区域内には市道4-130号線や赤道、水路など、佐倉市の所有地もありました。今回はそれらの道路を廃し、新たに付け替え道路を認定しようとするものですが、土地の取得に関して疑問があります。市はこの道路用地に対して、6-263号線のQVC取得分の道路用地を3396.35uとしています。しかし、平成16年12月議会で市が振興協会から買い上げた道路用地面積は8043.37uであり、6-263号線の認定道路の用地面積10960uと比較すると、約500uほどあわない計算になります。市及びQVCの道路用地取得に関して不明瞭な部分が残ります。従って、今後、振興協会から取得した土地に関して、明解な説明が必要と考え、意見として申し添えます。以上で反対討論を終わります。




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プロフィール

1957年 北海道小樽市生まれ
1981年 北海道大学教育学部卒業
1982年より17年間、札幌市教員。障害者の共同作業所づくりに関わる。
1999年 佐倉市に転居。知的障害を持つ青年たちの自立支援NPOスタッフ。
佐倉市環境モニター。佐倉市陸上競技協会所属、「佐倉走る会」に参加
1期目 総務常任委員会 議会運営委員会所属 学区審議会委員
民生委員推薦会委員
《家 族》 夫 子ども(16歳・14歳)

2期目
建設常任委員会
議会運営委員会

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