工藤 啓子
KUDOU KEIKO


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9月議会(討論から)  (2007年)


 市民ネットワークを代表し、議案第1号から第3号、第5号、第8号、第10号から15号、議案第21号23号、請願第5号から第7号、陳情第8号9号、継続審査案件であった請願第2号について委員長報告に反対の立場から討論いたします。
18年度決算審査に関わる主な反対理由をまとめて討論いたします。
はじめに一般会計歳入歳出決算についてですが、
税制改定に伴う住民負担の増 乾いたぞうきんをさらに絞るという表現で、2年連続の経常的経費各部枠配分12%カットの強行、集中改革プランによる職員の人件費削減と市民サービスのアウトソーシング化、一般競争入札による経費節減などの理由で、実質繰越金が15億7194万5109円という黒字決算となりました。しかし、これら行財政改革がもたらした市民への負の影響やひずみについてのとらえ方、特に福祉部における高齢者、障がい者、ひとり親家庭、さらに子どもたちの学校現場に影響が出ていることを市民の立場から分析する視点が全く欠けていることが指摘されます。
 その一方で 後期実施計画にはない土地取得を行っています。大林組の塩漬け土地である下志津畔田用地を緑環境基金を取り崩して3億8500万円で購入、振興協会の解散に向けての精算処理として5億4000万円の土地を土地開発基金で買い上げ、岩名運動公園拡張工事での土地取得もあわせると一年間で約10億円近くの税が土地購入として使われたことになります。
 担税力に応じた税の徴収と再配分を真剣に考えなければならない時に、法人市民税は国と同様に聖域化され、標準税率や均等割額の見直しについては行う予定がありません。
さらに集中改革プランによって各公共施設の指定管理者制度の導入が行われました。しかし、公的施設は職員が直接市民と向き合う現場です。特に福祉施設の民営化は住民の福祉向上を基本理念とする自治体としての公の責任を投げ出すことにつながります。
 競争入札の導入によって、落札率は下がっていますが、その一方、低入札価格による影響で、労働者の賃金を含む労働条件が切り下げられている実態があります。官製ワーキングプアというべき状況が佐倉市でも発生しています。この対応についての認識が甘く、今後、自治体の政策誘導による地元雇用の促進や地域内循環経済の構築へ向けての労働政策の観点が欠如しています。
 さらに、市民協働という言葉で市民の無償ボランティアによる地域福祉サービスを展開させようとする状況も見受けられます。市民協働の前提としての、情報共有と政策形成過程における市民参加をまず進めるべきと考えます。
 国の電子自治体構想という新たな公共サービス投資としての住民基本台帳ネットワークシステム、テロへの対応など国防に対する不安を煽り、地域防災計画策定より先行した国民保護計画の策定も問題です。志津霊園問題については18年度、ほとんど進捗がなく、債権回収や本昌寺との交渉の経過など市民への説明も不十分です。今後120メートルの道路にどれだけ税金を注ぎ込むのかについての明確な方向性も示されないままに時間ばかりを費やしています。
 さらに、財政難といいながら開発業者が7割近くも所有する区画整理事業に新たな補助金設定を行ったことや2月補正で駆け込み的に明確な使用目的が定まらないスポーツ等多目的施設用地及び消防署用地取得を一般会計で行ったことも大きな問題です。
18年度は、地方財政が三位一体改革による地方交付税や国庫補助金の削減によって逼迫し、さらに障害者自立支援法の施行、介護保険法の改悪、後期高齢者医療制度の創設など各種の保健医療制度の改悪が行われました。特に高齢者・障がい者にすさまじい負担増になった年の始まりです。セーフテイネットとしての社会保障制度を切り下げられ、格差と貧困が広がっている状況があります。佐倉市も例外ではありません。地方自治体が担うべき責任がよりいっそう重くなってきています。国の下請け機関のように国の方向にそのまま依拠した政策は地方分権とは逆行しています。集中改革プラン、指定管理者制度、官から民へのアウトソーシング、すべて国が提案した行政改革です。18年度決算は国主導の行政財政改革を推進した結果としての黒字決算であり、住民福祉の向上という自治体本来の目的から外れた内容となっていることから反対いたします。

 国民健康保険特別会計については、18年度、応能負担より応益負担率を上げ、低所得層により厳しい保険税の値上げをおこなったことが問題です。引き上げの議論も国民健康保険協議会においてわずか3ヵ月の審議で決定しました。                                     しかも、値上げをしたにもかかわらず一般会計から赤字繰り出しをしているのは税制改定の影響が特に高齢者の加入が多い国保税への跳ね返りとして出てきたために、国が激変緩和として出した措置によって起こりました。もともとの税制改悪の責任を自治体の一般会計で穴埋めさせようとしている事も大きな問題です。

交通災害共済事業は、18年12月議会で突然19年3月末廃止の提案がありました。周知の期間、調査の期間なども短期間で、特に低所得層の方にとって安い掛け金での保障という部分の代替措置がはかられないままに廃止されたことに反対いたします。

下水道特別会計と公営企業会計水道部決算については、寺崎特定土地区画整理事業に対する都市再生機構への随意契約、行政文化用地取得に関わる今後の事業展開の不透明さの問題等があり、反対いたします。水道事業に関しては、八ッ場ダムの完成による水道料金の値上げが試算で約1.5倍になるということから安価でおいしい佐倉の水の供給、特に暫定井の利用継続をはかれるような方策も含め、水源確保の研究をさらに進めていくことを求めます。

 介護保険特別会計は介護保険料の値上げで、前年度比28.3%の増となりました。基準額が2911円から3711円へと大幅値上げによって高齢者世帯は大変な負担増となりました。さらに予防重視ということで、介護認定区分を下げられ、これまで受けられた介護サービスが受けられなくなる問題も生じています。介護報酬の引き下げによる介護事業者への締め付けは直接、サービスをになうヘルパーさんの賃金や労働条件を切り下げているという問題があり、小規模多機能型の特別養護老人ホームは採算性があわずに新たな事業者が出てこないという問題を抱えました。医療制度改悪による療養病床削減のしわ寄せも今後、大きな課題となり、問題山積の保険制度であり反対いたします。

続いて
一般会計補正予算についてですが、議案の第21号22号と関連して意見を述べます。岩名運動公園等指定管理者委託業務ですが、佐倉市振興協会が3月末で解散したことから、これまで請け負っていた施設管理業務を他団体へ委託替えしようとするものです。指定管理者制度導入の問題点はこれまでも指摘しましたが、再委託のたびにより一層、委託料の削減を行い結果的に労働者の賃金や労働条件を切り下げている実態があります。現行制度で委託者を募るシステムでは結果的に大手の事業経験がある業者が元請けとなり、実際に働く方たちは地元の安価な労働力として使われ、再委託のたびに劣悪な条件での労働契約を余儀なくされることになりかねません。地元雇用の促進と循環型経済の構築という観点から指定管理者制度をやめ、直営で地元の方たちへ直接業務委託する方式をとるべきであると考え反対いたします。

議案第12号13号は郵政民営化法等の施行に伴う関係条例の整備であることから反対いたします。

議案第14号佐倉市消防団条例の一部を改正する条例制定についてですが、時代の流れの中での、消防団員の減少を年齢制限の撤廃や在勤者も認めるという対処療法で食い止めようとしています。この条例改正に対しては、今後の消防団のありかたを常備消防との役割分担も含めて整理し、報酬や自治会からの寄付についても抜本的に見直し、地域防災の新たな方向性を検討する必要があるという観点から継続審査を求めましたが認められませんでした。消防団員は非常勤特別職としての公務員という位置づけにあること、年額の報酬および毎回の出動手当が支給されていることを知らない市民が多数います。消防団が今後地域の防災組織として期待されていることからも、そのあり方を再検討する時期にきていると考え、対処療法的な条例改正には反対いたします。

議案第15号は学校教育法等の一部を改正する法律施行に伴う条例改正です。
昨年の12月に国民的議論も不十分なまま、教育の憲法とされていた「教育基本法」が変えられ、それに伴い教育関連法が改定となりました。その一つである学校教育法においては学校の目標規定の変更の中で、徳目を重視していく方向が打ち出され、学校に副校長や主幹教諭などを導入した上意下達の組織編成が行われます。さらに文部科学大臣の教育内容にまで踏み込む決定権の拡大など数多くの問題が含まれていることから反対いたします。

続いて請願第5号高校歴史教科書検定での沖縄戦「集団自決」に関する記載内容への修正指示撤回を求める意見書提出を求める請願ですが、これは是非採択すべきであると考えます。
 去る9月29日、検定意見の撤回を求める超党派の沖縄県民大会が11万人の参加で行われました。大会では、旧日本軍の命令、強制、誘導などの表現が削除された教科書検定を厳しく批判し、検定意見の撤廃と集団自決を巡る強制性の記述回復を求める決議を採択しています。県民あげて文部科学省への抗議の意志がはっきりと示されました。すでに沖縄県議会では2度にわたり、さらに41市町村議会すべてから文部科学省に意見書があげられています。集団自決で生き残った方からは、自ら幼い兄弟に手をかけたつらい過去が語られています。軍による関与・強制なくしてはあり得なかった悲劇です。こうした沖縄戦の実相を子どもたちに正しく伝えることが二度と同じ悲劇を繰り返さないために必要です。渡海文部科学大臣も「先の大戦で沖縄の方々が大変大きな犠牲を払われたということは重く受け止めなければいけない」と発言しています。是非、政治的立場を超えてこの問題について一人一人が自らの判断で採決に望んでいただきたいと思います。

継続審査案件になっていた請願第2号「核兵器廃絶の国際協定締結を求める意見書」採択について、請願第6号「非核日本宣言の呼びかけを求める意見書」提出を求める請願、第7号「パトリオットミサイル配備について情報公開を求める」請願についてです。いずれも日本の平和と安全保障に関わる重要な請願です。日本国憲法第9条における非戦非武装の原則、さらに非核3原則を持ち、世界で唯一の被爆国としての立場からもこれらの請願については採択すべきと考えます。核兵器と人類の共存はあり得ません。また、パトリオットミサイル3(迎撃ミサイル)ですが配備することによって逆にテロの標的とされる危険性を持っています。現在は実験段階の命中度の低いミサイルであり、今後の技術開発等で莫大な税が投入されます。地方議会として住民の生命財産を守るためにも配備に関わる情報公開は当然のことと考え採択すべきです。

陳情第8号「青森県六ヶ所村核燃料再処理工場本格稼働の中止と放射能汚染から食品・環境・生産者を守るための法整備を求める陳情」については、委員会において陳情者による大変わかりやすい説明がありました。青森県から数百キロ離れた千葉県ですが、親潮の流れによって銚子や房総半島の先端にまで放射能汚染が広がります。有数の水産県である千葉の漁場にも私たちの食卓にもその被害が及んできます。食物連鎖による被害は未来永劫続いていきます。起きてしまってからでは遅いのです。すでにヨーロッパにおいては、12ヵ国においてイギリスフランスの再処理工場の稼働停止決議がなされています。六ヶ所村の再処理工場の本格稼働停止と「(仮称)放射能海洋汚染放出規制法」を求める陳情は採択すべきと考えます。

最後に、陳情第9号 志津霊園道路の早期開通を求める陳情について意見を申し上げます。
西志津町内会自治会から8101名の署名と陳情が寄せられました。地元の方たちの20年以上に及ぶ道路未開通に対する不便さと不安の思いは十分理解できます。しかし、この道路問題は始まりの時点から、不正や横領も疑われるような大きな問題点を抱え、未だに問題の真相は明らかになっていません。市民の多額の税金が使途不明あるいは回収不能の状態となっています。今後同じ轍を踏まずに事務事業が公正に行われるためには明らかにすべきことが多く残されています。今、ここで、早く通すことのみを求めることは、その流れを大きく後退させることになりかねません。本昌寺がこれほどに強気でいられるその背景とそこにある真実を明らかにしていかなければなりません。新市長は、これまでと違う方法であらゆる角度から道路を通す方策をとると明言しています。それは本昌寺に妥協することではないと信じます。議会としても、問題の真相究明と損害の回復、なにより、市民への明確な説明を求めてさらに努力していかなければならないと考えています。本陳情については継続審査を求めましたが残念ながら認められませんでしたので不採択と判断致しました。
  以上で討論を終わります。



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プロフィール

1957年 北海道小樽市生まれ
1981年 北海道大学教育学部卒業
1982年より17年間、札幌市教員。障害者の共同作業所づくりに関わる。
1999年 佐倉市に転居。知的障害を持つ青年たちの自立支援NPOスタッフ。
佐倉市環境モニター。佐倉市陸上競技協会所属、「佐倉走る会」に参加
1期目 総務常任委員会 議会運営委員会所属 学区審議会委員
民生委員推薦会委員
《家 族》 夫 子ども(16歳・14歳)

2期目
建設常任委員会
議会運営委員会

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