工藤 啓子
KUDOU KEIKO

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6月議会質問内容  (2006年)

 始めに医療制度改革問題について質問します。

 医療制度改革関連法案が昨日、自民党と公明党の賛成多数で参議院厚生労働委員会を通過しました。今日の本会議で成立の見通しです。
 この法案は、平成20年4月からの新高齢者医療制度の創設や高齢者の窓口自己負担の大幅増、高額療養費の自己負担限度額の定額部分引き上げ、「混合治療」導入など医療給付費の抑制を目的として、社会保障機能を削り日本の公的医療制度の本質を変えていく悪法となりました。

 また、改定介護保険制度における老人保健施設、特別養護老人ホーム、在宅介護の社会資源が不十分な状況において、慢性疾患の療養病床の大幅削減を決めたことは、行き場を失う高齢の医療難民を生み出す可能性も出てきます。国の制度改悪のあおりは当然、地方自治体へと向けられ、高齢で医療支援が必要な方の生活介護は、市町村の責務となります。
 新高齢者医療制度は、都道府県単位の広域の自治体連合で行い、保険料は広域連合ごとにさだめられます。診療報酬を都道府県別に設定するような方向は、やがて医療の地域間格差を広めることにつながり、憲法第14条の全て国民は法の下に平等であるという理念、第25条の生存権にも違反する内容と言えます。

 市長は、この制度改革によって佐倉市の医療・介護・福祉制度にどのような影響と問題点を生じさせるとお考えか、介護保険・国民健康保険制度との関わりも含めてお答えください。


 次にMMS・マネジメントサポートシステムと名付けられた集中改革プランの進捗管理システムについて質問します。

 5月24日、行政改革懇話会において、行政管理課から集中改革プランの17年度の実績と18年度の予定が示されました。さらに各担当の18年度の改革項目にかかる月ごとの進捗管理を庁内のイントラネットで流し、開始や終結の日、予定通り行われていない場合の注意や指示も備考欄に載るよう組み込まれたシステムが5月8日から本格稼働していると聞きました。庁内の誰でもどこからでも進捗についてチェックできる佐倉市独自のシステムということです。
 懇話会ではさらに、ここに上司や市長のコメント覧を設けるよう意見が出されています。
また、中間報告として6月と10月にホームページに掲載をし、市民へ公表することも検討されています。
 集中改革プランは、公の責任や役割についての議論なき、財政削減先行のプランであり、総務省からのモデルプランそのままの内容で、佐倉市としての独自性がみられないという点はこれまでも指摘してきました。
 現場からの視点、あるいは当事者の視点からの事務事業改善をせずに、経費削減のために自らの仕事を削るような作業を進めることの矛盾、仕事の詳細にわたって、日々管理される職場環境の問題、さらに、今後すべての業務執行管理に使われたとき、人事評価と連動していくことの問題が指摘されます。これら問題点について、市長見解を求めるとともに集中改革プランの進捗管理システムの稼働について再考を求めますが市長のお考えをお聞かせください。


次に新介護保険法施行に伴う課題と対応について質問します。

 1点目は,地域包括支援センターの設置による影響についてです。
職員人事との関係や他課からの専門職の移動による事業内容への影響について質問します。4月から、地域包括支援センターを高齢者福祉課内に立ち上げたことに伴い、庁内で人事異動が行われました。高齢者福祉課は前年度の13名から12名増の25名体制となりました。
特に地域支援事業や介護予防事業を担う専門職を配置する必要から、社会福祉士の有資格者や保健師、歯科衛生士、栄養士、理学療法士など部内の健康増進課や地域保健センターからの移動でまかなわれ、新たに外部からの採用による増員は行われませんでした。
当然、他課での影響は大きく、特に健康増進課では、高齢者や母子保健に関わる保健師が減小し、それによる事業の縮小が見込まれます。
 今年度から取り入れられた新生児の全戸訪問は、母子保健事業の充実という観点と共に虐待予防の効果が期待されますが、充分な体制がくめるのでしょうか、さらに、これまで、行っていた保健師による高齢者保健サービスや保健指導業務に支障は生じないのかお答え下さい。

 三位一体改革により、市町村が直接担う住民サービス事業が増加しています。その一方で、市は定年退職者分の人員増はしないという定員適正化管理計画をさらに上乗せした削減プランを強行しようとしています。佐倉市は人口あたりの職員数が県内1少ない自治体であるにも関わらずです。仕事は増えるが、予算と人員は減らすという矛盾した状況について、市長はどのような見解をお持ちかをお聞かせください。
 「福祉の仕事」は機械的に省力化できない「人」が要の仕事であり、「人」を減らすことは市民サービスを減らすことと直結しています。
市町村に仕事が委譲されたのであれば当然、十分な人員の配置と特に専門職の新規採用が必要であると考えますがいかがでしょうか。

2点目は,地域包括支援・任意事業に関わる予算配分の問題です。
18年度予算より、高齢者福祉課の老人福祉費における各種サービスが介護保険制度の地域包括支援・任意事業へ切り替えられ、税でまかなっていた老人福祉サービスを介護保険の地域支援事業へと移行させました。
 具体的には、配食サービス事業・紙おむつ配布事業・成年後見制度利用支援事業が、介護保険の地域包括支援・任意事業に組み込まれました。
廃止になったのが「要援護高齢者住宅改修費補助金」「一人暮らし高齢者交流会」「訪問介護員養成研修」「生き甲斐活動支援通所事業」などです。

その背景には、三位一体改革によって、県の在宅福祉事業費補助金が、大幅に削減されたというからくりがあります。
 本来、税でまかなうべき高齢者の福祉サービスを本人の自己負担が伴う保険制度へ巧妙にすり替え、しかもサービスを使えば使うほど自己負担がかさんでいく仕組みとなり、まるで、税金の二重取りのような状況が起こっています。
 これが市長が推進し、本もお書きになった「改革を止めるな」という「三位一体改革」の内実です。
担当課として現場から見た問題を率直にお答え願いたいことと、市長がこの内実をどう捉えているのかをお聞かせ頂きたいと思います。

3点目は,第3期高齢者保健・福祉・介護計画との関係です。
 健康増進課で行われてきた健康教育健康相談の中で介護家族に対する相談業務が、18年度より削られています。さらにこれまでの老人保健法による訪問指導では、基本健康診査要指導対象者・介護予防、寝たきり等対象者、介護家族対象者で40才以上すべてが該当でしたが、18年4月からの改定により、40才以上64才までが該当となり、65才以上は介護保険の事業に組み込まれました。
 介護保険の認定外になった方や認定を受けてもサービスを受けない方など、制度の狭間で支援が行き届かなくなる方はいないのでしょうか。新介護保険制度の中で充分にフォローされているのでしょうか。

 さらに、計画によると健康診査の受診者数と受診率の低下が著しいことが分かります。担当課によると母数を国保対象者にしたために結果として率が低下したという説明ですが、同時に受診者の見込み実数も低下しています。集団検診での自己負担導入の影響もあります。
 しかし、この状況は、保健事業の本来のあり方からすると本末転倒してはいないでしょうか。
早期に発見することで、全体の医療費は抑えられますが、受診率が低下するほど早期発見率は低下します。国は受診率50%を目標にと目安を出していますが、現在の佐倉市の受診率はのべて30%を切っていることをどう捉えているのかお答え下さい。

 また、介護保険計画の中での地域密着型サービスおよび介護予防地域密着型サービスの社会資源の現状はまったく乏しいもので、在宅で介護を受けながら暮らすには、ほど遠い現状です。
 例えば、4月の段階で地域密着型 6サービス中、募集予定を満たしている事業はなく、今すぐ対応できるのは「認知症対応型通所介護」「認知症対応型グループホーム介護」の2事業のみという実態です。
 夜間対応型訪問介護 小規模多機能型居宅介護 介護老人福祉施設入所者生活介護 特定施設入居者生活介護の基盤整備の方向はどのようになっているのでしょうか。
 実際の計画とサービスの社会資源の隔たりが大きく、プランあってもサービスなしの現状です。地域で暮らすという選択をしても具体的に支援のサービスがなければ家族介護に頼らざるを得ないのではないでしょうか。
 その一方で、介護保険が改訂されたとの理由で、高齢者の保健福祉をきめ細かく行ってきた保健師が削られ、サービスも自己負担が伴う介護保険事業へ組み替えられているということは実質的に市民サービスを減らしていることになります。市長は、使えない、間に合わない介護保険事業の狭間にある高齢者の生活実態をどう把握されていますか。
 佐倉市としてのきめ細かな高齢者福祉サービスを充実させるよう予算配分することを求めますがいかがでしょうか。


 障害者自立支援法の施行に伴う課題と今後の方向性について質問します。

 新介護保険法と同じく、それ以上に急激に当事者の状況を無視した形で導入されたのが障害者自立支援法です。
一度廃案になったものを強引に押し通したために、各自治体では準備が間に合わず、利用者の応益負担導入による混乱やサービス提供者への報酬単価ひきさげによる事業所経営難など多くの問題が噴出しています。
 さらに、今後、2009年を目途に介護保険と統合し、20才以上の国民すべてに保険料を支払わせる制度にしようとしています。「高齢になり、あるいは障がいをもって、支援が必要になったら自己責任でまかなえ」という公の責任をかなぐり捨てるようなとんでもない発想がまかり通る状況が準備されています。
 そのような中、障がい者の共同作業所の全国連絡会である「きょうされん」の調査で全国128の自治体が、利用料や医療費などで独自の軽減策を設けていることが分かりました。佐倉市でも、障害福祉サービス・自立支援医療・補装具・地域生活支援事業の各分野の負担上限額を「利用者負担総合上限制度」として設けた点は大変評価できますし、今後、市の裁量が大きい地域生活支援事業における負担軽減策の検討や当事者のニーズに沿ったサービス体系を組み立ててもらいたいと思います。
「障害福祉計画」の策定にあたっては国が示すガイドラインに数値をあてはめるだけではなく、障がいを持つ方たちが、佐倉市の中で暮らし働き活動していける内実が伴ったサービス見込み量を出してもらいたいと思います。
 そのためには当事者のニーズの的確な把握と当事者や家族、支援者との連携が必要です。
 障害程度区分については、介護保険の要介護認定調査項目79項目に障害特性を加味した27項目が追加されました。しかし、自立して社会生活を送るためのサービスの必要度が適正に判定されるものではありません。特に知的・精神障がいの方たちの判定には事実上そぐわない調査項目です。
予算的な問題を言えば、国庫負担基準は、審査会の区分に基づくサービス量を基準にその支払いの半分を持つだけです。実態に合わない区分判定で、サービス水準が下がらないようにと、本人ニーズに基づいて支給すれば、全て佐倉市の持ち出しという事になります。このようなからくりを、介護保険と同様に国は導入してきていることを市長は認識して頂きたいと思います。以下質問です。

  1. 支援費制度からの移行に伴う利用者やサービス提供者側からの問題点を明らかにすることです。
     事業者側からみれば、17年度の支援費単価ベースの人件費相当分が2%の減額、その他経費についても0.6%の減額でさらに利用実績払いつまり日払い方式になって実質事業者報酬は大幅減。また、開所日数も22日開所による単価基準になり、土日も何らかの形で開所せざるを得ないという状況です。
     利用者側からみれば、支援費制度が始まって3年足らずのうちに又制度変更で、利用者負担やサービス変更についての説明や理解が不十分なまま、利用料負担ばかりがかさむような状況になっています。 
    現実に実費負担に耐えられず施設でのサービス契約を取り消すような事例も報告されています。現場で具体的に生じている問題をお答えください。
  2. 県から市町村へ移行する事業にかかる問題点についてです。
    地域生活支援事業が市町村事業として位置づけられたことから、これまで県が管轄していた事業から撤退する動きがあります。特に精神障害者地域生活支援センターについては、受け皿としての市町村の体制づくりが間に合わず、市町村格差も大きい事から、広域的、専門的支援を行う主体しての県の役割が必要な事業です。周辺自治体と共に県との協議をして頂きたいと思いますがいかがでしょうか。  
  3. 自立支援医療制度に関わる問題点についてです。
    移行に伴い、最も混乱し、今も結果的には利用者への負担が大きいのが、自立支援医療です。4月1日から、1割負担が導入されましたが、更生医療は市町村の管轄です。特に精神の通院についてはこれまで5%負担であったところを10%にするという負担増であり、切り替えのための手続きが急を要していたために、当事者への充分な周知や医療機関への協力依頼も含めて、行き届いていませんでした。受診券が手元にないまま医療機関へ行き、3割負担を強いられるケースも発生しています。
    さらに自立支援医療制度の施行に伴って、乳幼児医療費助成制度や重度障害者医療費助成制度という福祉医療制度の後退が全国の自治体の中でも起こっています。現在、佐倉市において生じている問題点をお答え下さい。
  4. 地域生活支援事業の方向性についてです。
     障害判定区分が実態にそぐわず、そのために国庫補助の支援対象とはならない当事者がこれまで通りの生活を続けるためには市町村事業としての地域生活支援事業が最後のよりどころにならざるをえません。
    相談支援事業・地域活動支援センター・コミュニケーション支援・移動支援・日常生活用具とその内容は多岐にわたります。10月1日施行までの間、対象者や費用負担など自治体独自で決められるわけですから、現行の施設サービスを移行するだけでなく、障がいを持つ方たちの地域での自立生活と就労支援を含めて、当事者ニーズを充分反映する方向性を期待しますがいかがでしょうか。
  5. 利用者側にたった自立支援施策の独自展開の方向性についてです。
     既に「利用者負担総合上限制度」を県内で初めて行ったことは触れましたが今後、更に当事者のニーズに沿った自立支援や負担軽減策をどのように行っていくのかその方向性についてお答え願います。

 最後に、酒々井町の巨大ショッピングモール開発の佐倉市への影響と課題について質問します。

 この計画の名称は、「ガーデンシティリゾート ザ・モール・オブ・ジャパン酒々井」事業計画といいます。
WDJ(ウェスタン ディベラプメント ジャパン)から平成16年11月に県の商工労働部へ事業計画が提出されています。
 平成16年とは、佐倉市と酒々井町の合併話が突然浮上した年にあたります。
その年の4月に、前酒々井町長と前助役が佐倉市へ訪れ、合併の協議を行うよう申し入れました。前年度まで、一切具体的な話がなかったにもかからず、なぜこの年の4月なのか、議会でも取り上げ、市長にも説明を求めましたが明確な答えはありませんでした。
 この背景には、合併話の2ヵ月前の2月に酒々井南部地区の関連道路検討会で県土木部、酒々井町、都市再生機構の3者が技術的検討を終え、4月に、巨大ショッピングモール開発と切り離すことが出来ない酒々井インターチェンジの施行命令が国土交通省より日本道路公団へ発令されていることと関連しています。
 6月には都市機構よりWDJへ工事分担・契約条件が、同じく、酒々井町へ役割分担が申し入れられ、いよいよ具体的に動き出すことになります。合併話を本格化させる必要が酒々井側にあったということです。なぜなら、この開発に関わる事業費は約534億円。年間2000万人の集客を計画し、商業床は24万uで駐車場台数1万台という巨大スケールのショッピングモール。酒々井町の負担は、高速道路からのアクセス道路、地区内都市計画道路等の公共施設管理者負担金等で約50億円です。50億という数値は、酒々井町の一年間の一般会計に匹敵する金額です。酒々井にとってこれを単独で行うのは町の存亡をかけた一大ばくちになってしまいます。従って佐倉との合併が急がれました。ところが、17年3月の住民投票の結果、合併はご破算になり、その計画は一時足踏み状態となりました。
 しかし、既に動き出した公共事業をストップできないというぎりぎりの選択で、前町長が、やめる3日前に突然、県・都市再生機構・町の3者で事業を推進するための協定書をむすびました。議会にすら知らせず、秘密裏に結んだ事情も後戻り出来ない政治的な力が働いたということが推測できます。
 市長にお聞きしますが、この一連の開発計画について、吸収合併を予定していた佐倉市に、当時、説明があったと思われますが、いつ、どの時点で、説明がなされたのか、その説明を受けて佐倉市の今後にどのような影響があると考えられたのかお答え下さい。
さらにこの開発に伴う佐倉市側の問題点ですが、
中心市街地活性化と逆行する中小の地元商店への打撃、年間入場予定者数2000万人という巨大施設にアクセスする道路の渋滞、特に、51号線と296号線の交差点や296号線から新設の都市計画道路との交差点の渋滞問題、佐倉市は酒々井町と共同でゴミ処理を行っていることから、巨大規模の開発とその後の排出ゴミの処理問題などがあげられます。
従って、開発計画の詳細について県および酒々井町・都市再生機構に以下の3点に関して説明を求めるべきであると考えます。1点目は佐倉市に影響する交通量の変化の見通しと課題、2点目はゴミ処理について、開発に伴う排出予定量とその処理能力等の問題、3点目はショッピングモール進出による市内の商業関係者に及ぼす影響です。
 さらに、必要に応じて県との協議をはかり、問題があれば県へ改善の要望をあげるべきと考えますが、いかがでしょうか。  
 以上市長のご見解をお聞かせください。


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プロフィール

1957年 北海道小樽市生まれ
1981年 北海道大学教育学部卒業
1982年より17年間、札幌市教員。障害者の共同作業所づくりに関わる。
1999年 佐倉市に転居。知的障害を持つ青年たちの自立支援NPOスタッフ。
佐倉市環境モニター。佐倉市陸上競技協会所属、「佐倉走る会」に参加
1期目 総務常任委員会 議会運営委員会所属 学区審議会委員
民生委員推薦会委員
《家 族》 夫 子ども(16歳・14歳)

2期目
建設常任委員会
議会運営委員会

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