議席9番、入江晶子でございます。
市民ネットワークを代表し、議案第1号、第3号、第5号から7号、請願第17号から19号、陳情第17号から20号について、委員長報告に反対の立場から討論を行います。
初めは、議案第1号平成20年度佐倉市一般会計補正予算についてです。
主な反対理由として、以下4点述べます。
1点目は、志津霊園にかかわる債務負担行為および勝田台・長熊線整備費についてです。「佐倉市債権の保全」として期間や限度額を定めない形で債務負担行為が提案されています。地方自治法施行規則では備考として「限度額の金額表示の困難なものについては当該欄に文言で記載することができること」と記されています。しかし、期間については定めなくともよいとはどこにも記されていません。市は「このような提案の仕方は法律上可能である」と拡大解釈していますが、地方自治法施行規則の範囲を逸脱している疑義があります。債権の保全の内容は、石材会社石の宴に対する4億円の債権について、平成24年8月の時効を前に再度取り戻しを行うための費用です。委員会において「現時点ではその範囲が不確定だが新たに訴訟をするのではなく強制執行をかける」との説明がありましたが、具体的な方法は示されませんでした。そのための費用として、今回新たに弁護士委託料656万円が追加計上されています。前回の裁判に要した費用はおよそ8800万円、それに対して回収できたのは約210万円です。損害の回復については「ありとあらゆる法的手段をかけるべきで、やるべきものはやらざるを得ない」と過去の百条委員会の提言を拠り所にしていますが、費用対効果、また実効性という点からも大いに疑問です。また、「墓地移転補償費積算業務委託費」の債務負担行為についても問題があります。市は平成17年に同様の調査を行い算定金額が既に示されています。それでも算定をやり直すのは本昌寺との最終合意に向けて具体的な金額の明示が必要であり、最終合意書にそれがなければ法的に問題であるとの見解です。しかし、そのような説明はこれまで一切受けてきたことはなく、最終合意書の内容も明らかにされていない現時点で再び3582万円もかけて算定をやり直す明確な理由が分かりません。市は「来年の夏ごろに数字を出して契約を成立する予定」で考えていますが、その前提として本昌寺が最終合意に締結するという確証が示されるべきです。従って、これらの補正予算に反対します。
2点目は、花火大会開催に対する基金からの負担金補助および交付金666万円についてです。昨年度の常任委員会において、花火大会の運営方式や基金の設置について様々な議論があり、基金条例の採決にあたってはこれらの検討課題を1年かけて十分に研究するようにとの付帯意見がありました。しかし、今回の委員会の質疑ではこれまでの検討内容が全く明らかにされず、担当課の姿勢は大いに疑問です。また、私たち市民ネットワークは花火大会には反対ではありませんが、その運営方法については、佐倉市主催ではなくあくまでも民間資金をベースに市は補助金を出す形で行うべきとこれまでも主張してきたことから、反対します。
3点目は、岩富にある大気測定局の移設工事費979万3千円についてです。
この施設はオゾンや窒素酸、湿度等を測定する目的で市が設置しているものです。今回、この土地に特養養護施設と診療所を建設するために測定局を解体、撤去し、新しく弥富に新設するための費用です。委員会では「なぜ大気測定局をわざわざ移転させてこの場所に特養施設が建設されるのか」その経緯について質疑がありましたが、明確な答弁がなく、また老朽化による移設であるとの説明にも納得がいきません。
4点目は、佐倉ふるさと広場整備費についてです。当初、市の実施計画では1453万円で新たに井戸を掘削し地下水を利用して給水施設を整備することになっていました。その後、平成22年に行われる千葉国体カヌー特設会場整備のために上水道を敷設する計画に変更するものです。事業費の4分の一は県からの補助金ですが、残りの5600万円は市の単独予算です。県の国体推進局との協議の結果、こちらの方が得策であるとの判断を行ったとのことです。しかし、県の補助が決まらなかったら従来どおりの整備を行ったという点や市の単独事業として行うよりも4000万円以上も余計に費用がかかり財政負担が重くなる点からも反対です。
5点目は、庁用車購入費についてです。今年4月に市長専用車が事故破損し、その代わりの車を購入するための予算計上です。現在、市長をはじめとする特別職専用に4台の車があり、それらを使いまわしすることで対応できるのではないかと考えます。環境に配慮した低公害車を購入するために689万円程度必要とのことですが、市民に緊縮財政の負担増をお願いしている状況でこのような支出は理解を得られないのではないでしょうか。再検討を強く求めたいと思います。
なお、今回の補正予算で学童保育を内郷小、山王小、千代田小に新たに開設し、佐倉小、根郷小、寺崎小において拡張整備する点については、保護者のニーズに早急に応えるものであり、市長判断と関係部局の努力に感謝申し上げます。
次は、指定管理者制度にかかわる議案第3号、5号、6号、7号についてです。
議案5号は来年4月から市民公益活動サポートセンターに指定管理者制度を導入するための条例改正です。この施設は「市民協働」を推進するための拠点であり、市民団体やNPO等が交流し行政との関わり合いの中で市民活動や地域活動を活発に行うことを目的につくられたはずです。指定管理者に施設管理というハード面だけではなく、市民活動推進のための各種事業の実施というソフト面についても任せていくというやり方では、施設本来の目的を果たしていくことはできないと考えます。今回同じく志津のコミュニティセンターに指定管理者制度導入の条例改正が出ていますが、委員会では賛成少数で否決されました。これまで直営管理の下、地域住民の憩いの場として利用されてきた同施設が指定管理者に代わることを危惧する声が多く聞こえています。議案第3号では指定管理者の指定手続き条例の改正が提案され、公募によらない選定の特例が新たに盛り込まれました。複合施設や関連する複数施設について、一括管理し合理化するための内容であり、健康福祉センターやコミュニティセンター等が検討対象となっています。佐倉市も指定管理者制度はコスト削減とサービス向上を実現できるとして導入してきましたが、果たしてその結果はどうだったでしょうか。これまでの指定管理者導入はすべて集中改革プランの改革項目としてあげられたことが始まりであり、市の職員削減、経費削減ありきで進められてきました。その結果が市民生活にどのような影響を及ぼすのか、市民が指定管理者を望んでいるのか等について、十分な議論や検討をする猶予はなく、集中改革プランの進捗に重点がおかれてきたことは大きな問題であると思います。さらに指定管理者として働いている労働者の低賃金や不安定な雇用形態についても市は責任を持つべきです。自治体自らがワーキングプアを生み出している実態について調査し、早急な方策を講じる必要があります。従って、これらの議案に反対します。
議案第7号は休日夜間急病等診療所および小児初期急病診療所の設置管理条例の改正です。これまでは診療報酬の改定ごとに条例の一部改定を行ってきましたが、今回の条例改正によってその手続きが省略されます。事務手続きの合理化という利点はありますが、国の言うままに内容が改定され見えづらくなることは地方分権の立場から賛成できません。
続いて、請願第18号「核兵器廃絶の国際協定締結を求める意見書」採択の請願、第19号「非核日本宣言を求める意見書」採択の請願についてです。昨年12月の国連総会において核兵器廃絶の約束実行を求める決議が156対5の圧倒的大差で採択され、その実効性を核保有国に求めています。また、昨年4月に始まった「非核日本宣言」を求める活動は、日本政府が「核兵器廃絶の提唱・促進」と「非核三原則の厳守」を国連総会や日本の国会など内外で宣言し各国政府に通知し共同の努力を呼びかけるものです。佐倉市は、戦後50年の平成7年8月15日に平和都市宣言をし、全国で4番目に平和条例を制定しました。核兵器の廃絶を願い平和な世界の実現を願う佐倉市民を代表する当議会において、これらの意見書はぜひとも採択し国に届けるべきであり、委員長報告に反対します。
最後は、請願17号後期高齢者制度を中止し、撤廃を求める意見書採択の請願、陳情第17号ワーキング・プアも過労死もない社会をめざす陳情、陳情18号自主共済制度の保険業法適用見直しを求める陳情書、陳情第19号住民の暮らしを守り、安全、安心の公共サービス拡充を求める陳情、陳情第20号最低賃金の大幅引き上げを求める陳情についてです。これらの議案について、一括して討論を行います。2006年小泉政権下で成立した医療制度改革を受け、今年4月にスタートした後期高齢者医療制度は社会に大きな波紋を投げかけています。ここ数年の痛みを伴う改革が市民生活を直撃し、これまで黙っていた声なき声が今や政局を動かしかねない勢いとなっています。国は80年代から規制緩和、民間開放を旗印に医療や福祉にかかわる公的責任や財政負担を次々に縮小してきました。この背景にあるのが米国政府や多国籍企業による日本政府への数々の要望であり、公的社会保障を解体し民間資本が参入できるマーケットを作り出すこと、つまり市場化せよと求めています。憲法25条で保障された生存権にかかわる生活保護費の老齢加算廃止、年金控除の引き下げ等が行われ、高齢者の貧困問題が深刻化しています。また、若者についても政府財界による労働法制の相次ぐ改悪で非正規雇用が増加し、最低賃金そこそこの労働条件で働き生活保護基準以下の収入しか得られないワーキングプアと呼ばれる人たちが増えています。しかし、政府はこれらの実情に目を背け、生活保護基準のさらなる引き下げを検討しています。「勝ち組負け組」という言葉で片付けられ、全てを自己責任とする新自由主義が横行し、社会に希望を失う人たちが確実に増えています。このような時代だからこそ、佐倉市が地方自治の本旨をしっかりと捉え、住民福祉の向上に努力すべきではないでしょうか。国の行革指針に倣った集中改革プランを計画通り実行することを是とし、後期高齢者医療制度をはじめとする国の制度改悪を無批判に受け止め、粛々と事務を実行するのでは、一体誰のための地方自治体なのか、全く分かりません。もちろん根本的な問題は国にあります。地方分権を単なるお題目にし、税源委譲も不十分なまま地方交付税を削減、事務事業の負担や責任だけ自治体に押しつけています。三位一体の改革の結果、自治体の財政格差によって国保税や介護保険料、医療費の助成など住民福祉に大きな差が広がっています。限られた財源の中で何に優先して税金を使うべきか、これまで以上に市の姿勢が問われています。今議会に寄せられたこれらの請願や陳情内容について私たち議員や行政が真摯に受け止め、佐倉市として住民の尊厳や生活を守るために国に言うべきことははっきりと言い、市が独自にできることは何かを模索し取り組んでいく責任があるのではないでしょうか。なお、請願17号の後期高齢者医療制度に関する意見書については、6月25日時点で全国595の自治体議会、県内では7市5町の議会で採択されたとの情報がありました。以上のことから、これらの請願陳情はぜひとも採択すべきであり、委員長報告に反対します。以上で討論を終わります。
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