入江 晶子
IRIE AKIKO

 今、政治を変えるのはnetです。
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9月議会(討論から)  (2007年)

 市民ネットワークを代表し、発議案4号および5号には賛成の立場から、また発議案6号、7号に反対の立場から討論いたします。
初めに、発議案4号テロ特措法の延長に反対する意見書についてです。今年11月1日に期限切れとなるいわゆるテロ特措法の延長問題は、自民党総裁選後の国会で最大の焦点となります。単純に期限を延長する従来の改正案では11月1日までに成立させないと特措法が失効してしまうことから、福田首相は今国会に給油・給水に活動を限った新法案を提出する考えを示しました。本来、テロ特措法はアフガン周辺で対テロ作戦に当たる米軍艦などへの後方支援に海上自衛隊の活動を限定していますが、この法の趣旨を逸脱してイラク作戦に向かう米艦船に給油した疑いが濃厚となっています。民主党は国政調査権を発議し詳細な情報開示を求めるとともに、イラク撤退法案を参議院に提出する考えを示し、対決姿勢を強めています。これまでの自衛隊による洋上の補給活動がテロ撲滅に結びついているのかとの疑念が深まっており、政府はこの6年間の活動内容を明らかにし、国民に対する説明責任を果たすべきです。そもそもこのテロ特措法は、2001年9月アメリカでの同時多発テロを受けて政府内で検討がスタートしたいわばアメリカのための法律であり、憲法九条のもとで停戦合意のない海外に自衛隊を送るため「非戦闘地域」という概念を初めて盛り込んだ点でも平和憲法に抵触するものです。テロは非人道的犯罪行為であり、軍事力で押さえこもうとすることに根本的な問題があり、政治外交的努力を持って解決すべきです。従って、本意見書は採択すべきものとして、賛成いたします。
続いて、発議案5号最低賃金の引き上げと中小企業対策の強化を求める意見書についてです。先月末、国税庁が発表した民間給与実態統計調査によると、昨年1年間の平均給与は435万円で9年連続の減少となり、年収200万円以下の人は前年に比べて42万人増の1023万人となる一方、年収1千万円を超えた人は9万5千人増の224万人となり、格差拡大が進んでいます。先月8日に発表された内閣府の国民生活に関する世論調査でも、「日常生活で悩みや不安を感じている」と答えた人が過去最高の69.5%にのぼっています。昨年度は医療や介護保険制度をはじめとする社会保障制度の改悪が行なわれ、税制変更による増税や公的サービスの切り下げにより、多くの住民には負担増が強いられています。安定した生活基盤をつくるうえで賃金の保証は大前提となるものであり、格差社会に歯止めをかけるためにも労働分野の抜本的制度改革が必要です。今国会において民主党は政府の労働関連3法案への対案を提出し論戦が交わされることになりますが、同一労働同一賃金の原則を確立しワーキングプアを生み出さない制度設計を早急に行なうべきです。以上のことから本意見書は採択すべきものとして、賛成いたします。
次に、反対討論に移ります。
発議案6号いじめ・不登校対策のための施策を求める意見書についてです。深刻化するいじめや不登校の問題について、早急に解決策を講じなければならないという現状認識に異論を唱えるものではありませんが、「いじめレスキュー隊」の設置や「メンタルフレンド制度」の実施を全国一律に制度化する本意見書には賛成できません。そもそも教育現場においてはそれぞれの学校の自主・自立性が尊重されるべきであり、いじめ問題についても現場の教員が子どもや保護者と共に悩み考え行動する中で解決への糸口が見出せるものと考えます。日常の子どもたちの様子やクラスの雰囲気を分っていない第三者機関がどのように仲立ちできるのか疑問であり、教員同士の支えあいや学校ぐるみの真摯な取り組みこそ必要です。今年6月、安倍元首相の肝いりで発足した教育再生会議が第二次報告を発表しました。この中に「学校が抱える課題に機動的に対処する」という提言があり、学校問題解決支援チームの創設が盛り込まれています。この制度は「いじめレスキュー隊」と同趣旨で考えられたものであり、その構成員に指導主事や大学教員に加えて警察官を入れています。また、これらの先行事例ともいえる制度が東京の練馬区で創設されました。教育SAT緊急対応チームと呼ばれるもので、今年度8150万円の予算付けがされ、指導主事らを中心に生活指導に実績を上げた教員OBやスクールカウンセラー、精神科医で構成され、「いじめ・不登校・学級崩壊。放っておきません。困ったらすぐ電話!全力で対応いたします!」をモットーに活動しています。しかし、いじめを受けている子どもの保護者が直接学校に話をすることもなく教育SATに緊急通報したことで、却ってお互いの信頼関係がうまく築けなくなった事例も報告されています。また、子どもは社会を映し出す鏡とも言われ、いじめや不登校の問題は個人的要因に加え社会的背景も大きく影響しています。その意味でも今回の対処療法的な方策では限界があり、抜本的な解決は望めません。子どもを取りまく環境、とりわけ子どもたちが一日のうち多くの時間を過ごす学校での教育環境の改善こそが急務であると考えます。これまで日本政府は国連こどもの権利委員会から「学校における過度に競争的な教育」を改めるよう再三勧告されています。しかし、昨年強行された教育基本法改悪に象徴されるように日本の教育環境は悪化の一途をたどっています。経済的格差が教育格差を増幅させている問題、「勝ち組負け組」社会でのストレスの問題、子どもの個性や発達に応じたきめ細かな教育を困難にしている教員の多忙さなど、今の教育環境を大きく変えていかない限り、いじめや不登校などの問題を抜本的に解決する道筋はつかないと考えます。従って、問題解決に向けての方向性の違いがあることから、本意見書には反対します。
 最後は、発議案7号都市計画道路勝田台・長熊線志津霊園関連区間の道路の早期開通を求める決議についてです。
平成4年に志津霊園問題が表面化し、佐倉市や市議会は今日に至るまで真相の解明と損害の回復を図るための取り組みを行なってきました。平成15年5月、渡貫前市長のもとで、道路建設に向けての基本合意書が本昌寺と交わされました。これに沿って前市長は「寺は争うべき相手ではない。話し合うべき相手である」との一貫姿勢で臨んできましたが、交渉は妥協点を見出せず、寺の一方的な要求を前にこう着状態が続いています。新しく蕨市長に変わり、志津霊園問題についての打開策が注目されています。市長は今議会での質問に対し、「これまでの経緯をリセットし、関係5ヶ寺と同時に交渉を進める。道路の早期開通に向けて具体的方策を調査研究し、しかるべき時期に示す。これまでの情報をできる限り明らかにしていく」と答弁されました。市民ネットワークは、これまで渡貫前市長の対話重視路線では問題解決を長引かせるだけであり、本昌寺に対する特別扱いをやめ、通常の補償以上の要求には応じないという毅然とした態度で臨む必要があると申し上げてきました。今回、提案された決議は、地域住民からの陳情を受けて道路の早期開通を求めることに限った内容となっています。平成16年3月に議決された志津霊園区間の道路建設に関する決議には、更なる真相解明と損害回復、最小の経費による取り組みと市民への説明責任が盛り込まれていた点からも、今回の決議は内容が後退しています。また、蕨市長が解決に向けての決意や今後の方向性を述べられていることからも、道路開通ありきの本決議を通すことが、本当に市長をバックアップすることになるのか大いに疑問であり、却って寺側を利することにつながるのではないかと危惧するところです。従って、本決議には賛同できません。
以上で、討論を終わります。

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プロフィール

1965年 宮城県仙台市生まれ
1984年 宮城学院高等学校卒業
1988年 国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒業
精密機器会社入社
2003年 佐倉市議会議員初当選
現在 文教福祉常任委員会委員
市民ネットワーク会派代表
八ッ場ダムをストップさせる千葉の会事務局長
臼井中学校PTA役員
《家 族》 夫、息子2人(14歳、10歳)

2期目
総務常任委員会
会派代表

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