| 初めに、平成18年度決算状況をふまえた今後の行財政運営について、3項目にわたり、質問いたします。
1つ目は、平成18年度決算の状況と来年度の予算編成方針についてです。小泉政権の下で進められた「三位一体改革」は、地方自治体と住民にとって痛みを押し付ける内容であり、この間、郵政民営化に象徴される「官から民へ」の行財政改革、社会保障制度の後退、市町村合併の推進など、国のプライマリーバランス均衡を第一義とする政策が行なわれてきました。自治体は国に対して、「地方分権」を実現するために更なる税源移譲を求めていますが、地方財政計画全体の縮小路線が進められているのが現実です。そもそも国がいう「地方分権」とは真に分権型社会を目指しているのか、自治体の首長をはじめ私たち住民がその本質を見極め、今後の方向性を模索していかなければならないと考えます。私見を述べさせていただくと、いま国が「地方分権」の名の下に進めている構造改革は、憲法に位置づけられている地方自治の本旨を変質させるものであり、私たち住民の基本的人権の尊重や民主的な地域社会をも脅かし、ひいては現政権が目指す憲法改正にもつながるものと大変危惧しております。そこで、以下、2点について、伺います。
1点目。今年度から実施される所得税から地方税への3兆円規模の税源移譲によって、「三位一体改革」に一応の終止符が打たれます。今後、自治体にとっては、権限や仕事は与えられるものの財源が伴わないなど、より一層の自己責任・自己負担を求められ、厳しい財政運営が予想されます。佐倉市は、18年度から地方交付税の普通交付が受けられなくなる「不交付団体」となりましたが、当市における「三位一体改革」の影響額について、伺います。
2点目。当市では17、18年度に経常的経費の12%カット、普通建設事業の延長等による大幅歳出削減を行ないました。その結果、17年度決算では実質単年度収支を5年ぶりに黒字化し、18年度決算についても9億3394万円の黒字になりました。経常収支比率も17年度の96%から18年度は92%と数字上は若干改善しましましたが、依然として財政の硬直化が課題となっています。そこで政策的経費を捻出するために集中改革プランによる経費削減が進められ、改革項目の約8割が進捗したとのことです。17、18年度で25億500万円の効果額が示されましたが、集中改革プランが福祉や教育など住民負担増と市民サービスの低下を招いたことも事実です。税制改定や医療・福祉分野など社会保障制度の改悪によって格差拡大が進行しており、今まさに住民の命と生活を守る自治体の役割が問われています。そこで、来年度予算編成にあたっては、経費削減のあり方を見直し、住民福祉の向上につながる方針を検討していただきたいと思います。ご見解をお聞かせ下さい。
2つ目は、後期基本計画における主要事業と事業評価の問題点について、以下2点、伺います。
1点目。実施計画に位置づけた行政サービスを対象に内部の事業成果評価委員会、
第三者機関である行政活動成果評価懇話会に諮り、達成度合いの低いものはサービス内容や運営方法を見直すとしています。評価結果を市政資料室とホームページで公表するとしていますが、市民意見が十分に反映されるとは思えません。また、何よりも問題と考えるのは、評価の観点です。競争原理の導入や顧客主義など『新公共経営』(ニューパブリックマネジメント)の考え方が打ち出されていますが、先ほど述べたように住民自治の後退につながる自治体構造改革と軌をいつにする手法には、大きな問題があります。6月議会において、市長は「第三者機関を設け、第3次総合計画により進められている既存の事務事業について市民協働により適切に見直し、緊急度、必要性の高い事業選定に務め、不要不急のものは縮小、改廃を検討したい」と答弁されていました。市民意見が反映されるしくみづくりが必要ですが、どのように取り組まれますか。
2点目は、都市マスタープランの見直しについてです。現在、後期基本計画に基づいて事業が進められているわけですが、総合計画策定時の2001年には予想されなかった社会情勢、或いは政策転換もこの間、起こっています。基本構想における人口フレームについては、平成22年度の想定人口21万人を17万6千人に下方修正する議案が17年12月議会に提案され、議決されました。一方、土地利用の基本方針についてはそのままになっています。土地利用の具体的な方向性は都市マスタープランで示されるとしていますが、このマスタープランの目標年次はおおむね平成32年と予定されています。しかし、基本計画に位置づけられている主要事業については、当初計画から変更されたり、或いは実現不可能となっているものも数多くあり、都市マスタープランとの整合性を著しく欠いています。例えば、岩富用地については第3工業団地に隣接し準工業地域となっていますが、緑地保全の名目で取得したり、下志津・畔田の自然公園化計画、寺崎特定土地区画整理事業地の位置づけについても、今後の方向性が不透明です。今後の財政推計を正確に算定するためにも、これら主要事業について市民参加で議論するとともに、次期総合計画策定に合わせる形で都市マスタープランの見直しにも取り組むべきです。ご見解をお聞かせ下さい。
3つ目は、次期総合計画策定のあり方についてです。
現在の総合計画の目標年次は平成22年となっていますが、次期計画策定に向けてどのようなスケジュールと手法で進めますか。市民が主体的に関わり、市民参加でつくるためには十分な策定期間が必要です。お考えを伺います。
次に、水問題に対する市の積極的な取り組みについて、3項目にわたり、質問いたします。
1つ目は、八ッ場ダム事業および霞ヶ浦導水事業の現状認識と水利権量の見直しについてです。佐倉市はこれまで霞ヶ浦導水と八ッ場ダム建設に対して、負担金を支出してきましたが、これ以上の水源開発に参画することは更なる水あまりにつながり、必要性の失われたこれら大型公共事業への税投入は直ちに改めるべきと考えます。霞ヶ浦導水は、利根川と霞ヶ浦、霞ヶ浦と那珂川をそれぞれ直径4メートルほどの地下トンネルで結び、水を相互に行き来させる事業であり、霞ヶ浦の水質浄化や新規都市用水等を目的としていました。しかし、これらの目的が果たしえないことが明らかとなった現在でも、粛々と工事が進められています。89年に2.6キロの利根導水路が完成、95年に試験通水したところ、利根川のシジミが大量死したことで中止され、以降、利根川機場は「開かずの水門」となり、17年間一度も使われていません。一方の那珂導水路については、全長42.9キロのうち3分の一の進捗となっていますが、総事業費1900億円に加え更なる事業費の増加が確実です。さらに国土交通省が群馬県長野原町に建設中の八ッ場ダム事業については、計画から54年経過し、いまだに本体工事に着手できていません。今年度に本体工事の予算計上はされましたが、ダムサイトの岩盤強度や湛水域の地すべりの危険性など、依然として解決すべき事案に苦慮しているとのことです。2003年に事業費が2110億円から4600億円に変更され、関連事業費と利息を含めると8800億円にもなる日本一高いダムとなりました。この事業費倍増を受けて、2004年9月、首都圏一都五県の住民5400人余りが各自治体に対して、ダム建設にかかわる負担金支出の取り止めを求める住民監査請求を一斉に行い、その後、自治体から「却下・棄却」の結果を受け、各地方裁判所に住民訴訟が提起されています。私たち原告は、幅広い分野の専門家、多くの弁護士の協力を得て、治水や利水をはじめとする各論点について、行政データに基づいてあらゆる角度からの検証を行い、法廷闘争の中で明らかにしてきました。その結果、有害無益ともいえる本事業に対する公金の支出は地方財政法に照らして明らかに違法であると主張しています。今月25日の第12回千葉裁判では、原告側が利水に関する再反論を行なうことになっており、今後は証拠調べに入る段階です。そこで、以下、3点、伺います。
1点目は、佐倉市における今後の水需要予測についてです。平成22年度の水需要予測は、計画給水人口20万1017人とし、一日最大給水量8万8880立方メートルと推計しています。2003年9月議会において、この水需要予測は過大であると指摘したところ、給水人口17万4770人、一人一日最大給水量371リットルで水需要は約6万5000立方メートル程度との推計値が示されました。平成18年度の佐倉市民一人当たりの一日平均給水量は301リットルとなり、今から22年前の332リットルをピークに減り続けています。また、年間給水量についても、平成11年度の1889万立方メートルをピークに減少し、昨年度は1814立方メートルとなっています。今後も節水意識の向上や高齢化の進展によって、更なる給水量の減少が見込まれます。平成22年度における水需要予測について、現状に照らして見直すべきと考えますが、ご見解をお聞かせ下さい。
2点目は、印旛広域水道における事業計画の見直しについてです。印旛広域水道では平成22年度を目標年度とする事業計画があり、組合が確保している水源は、完成済みの奈良俣ダム、霞ヶ浦導水と八ッ場ダムの他に、2003年新たに「印旛沼開発」が新たに加えられました。千葉県全体の水需給計画においても過大予測による水余りが明らかになっており、未完成の水源開発を除く現在の保有水源に対し、一日約50万トンの余裕があると指摘されています。そこで、印旛広域水道における過去十数年間の水需要予測と実績、保有水源に対する給水量はどのようになっているのか、伺います。さらに組合議会の議員でもある佐倉市長がリーダーシップを発揮し、構成市町村11団体に呼びかけて水需要予測を精査し、現事業計画の見直しに向けて問題提起していただきたいと思います。ご見解を伺います。
3点目、霞ヶ浦導水と八ッ場ダム事業については、実際の工事の進捗や予算確保の観点からも平成22年度完成は実現不可能と考えます。八ッ場ダム建設にかかわる千葉県の負担は760億円にも及び、このような無駄な公共事業に税投入を行なうべきではないと考えますが、両事業に対する現状認識を伺います。また、佐倉市のこれまでの財政負担はいくらになるのか、今後更なる事業費の増額が見込まれますが、費用負担の見通しについて、伺います。併せて、新たに浮上した「印旛沼開発」の水利権の扱いについて、関係機関でどのような協議がされているのか、お聞かせ下さい。
2つ目として、水道事業の今後の見通しについて、伺います。
佐倉市の水道水は、1985年以前は地下水100%でしたが、それ以降は印旛広域水道から利根川の水を受水しています。これは、千葉県環境保全条例によって、佐倉市が地下水の汲み上げ規制地域に指定され、増加する需要分は川の水、すなわち河川水でまかなうこととされたためです。現在、佐倉の水道水の割合は、地下水が65%、河川水35%となっています。市には33本の井戸がありますが、そのうちの25本が暫定井戸で八ッ場ダムが完成すればいやおうなく廃止され、高くてまずい河川水に転換されます。水道事業の平成18年度決算では、印旛広域水道からの受水費が13億2600万円と事業費の4割にも及んでいます。給水量が減少し、料金収入が伸び悩むという厳しい状況で、健全な水道事業の経営にご尽力されていることに感謝いたします。しかし、今後、暫定井戸が廃止されるとその分の河川水の受け入れを余儀なくされ、費用負担も膨らみ、水道料金に跳ね返ることは明らかです。そこで、八ッ場ダムが完成した場合、水道水に占める地下水の割合はどのように変わるのか、また、印旛広域水道からの受水量や費用がどのように変わり、水道料金に影響するのか、伺います。
3つめは、地下水の保全と有効利用を進める積極的な取り組みについてです。
県内では佐倉市と同様、地盤沈下を理由にダムなどの水源開発によって地下水利用が廃止される計画が進められています。しかし、天然ガスかん水の汲み上げをしている九十九里地域やその影響を受けていると見られる八街市などを除いて、県内の地盤沈下は沈静化しています。千葉県のデータによると、佐倉市を含む北総地域の観測井戸の地下水位は最近10年間ほぼ上昇傾向にあり、このことは水道用の一般地下水は自然涵養量の範囲で利用され、地盤沈下の要因になっていないことを示しています。従って、これまでと同様の地下水の汲み上げは何ら問題ないといえます。佐倉市議会は2000年6月と2003年3月議会において過去2回、千葉県に対し、地下水の汲み上げ規制をしている県条例の見直しを求め、自前の水源である貴重な地下水を守り飲み続けたいという佐倉市民の訴えを届けるために意見書を提出してきました。脱ダムの流れが世界の潮流となるなか、不必要な水源開発に巨額の税投入をする国の姿勢は時代錯誤もはなはだしく、大型公共事業ありきで進める背景には政官業の癒着が垣間見られます。利水の上位計画である第4次フルプランは目標年次である2000年を当に過ぎていますが、国が意図的に次期プランを策定しないのは、水需要の大幅減少によって水源開発の根拠付けができないためといっても過言ではありません。先日の新聞報道によると、国交省が建設中のダムは全国で149基あり、その建設費が9兆円と当初見積もりの1.4倍に膨らんでいるとのことです。渇水や暫定水利権など不安定取水の解消を理由に水源開発が進められていますが、水利権許可制度の民主化や水の転用などの規制緩和をはかることでほとんどが解決されるといわれています。水資源の有効利用をめざして、新市長に国や県、関係機関への積極的な働きかけを求めますが、どのように取り組まれますか。それと同時に、安全で美味しい地下水を保全・活用し、次世代につなげていくために、地域の健全な水循環を促す総合的な水政策に取り組んでいただきたいと思います。ご見解をお聞かせ下さい。
最後に、多重債務問題の現状と今後の取り組みについて、伺います。
2006年12月、高金利引き下げを求める運動が全国的に広がり、世論の盛り上がりを後押しに画期的な新貸金業法が成立しました。2009年度末を目途に出資法の上限金利年29.2%が利息制限法の上限、元本によって年15%から20%と同水準に引き下げられ、中間のいわゆる「グレーゾーン金利」は廃止されます。消費者向け金融いわゆるサラ金の利用者は1400万人、そのうち5件以上の借り入れがある多重債務者は230万人といわれています。そのうち相談に訪れるのは、40万人程度であり、残りの8割の人たちは窓口を知らず、苦しんでいる実態があります。2006年12月、内閣官房に多重債務者対策本部が設置、今年4月には多重債務問題対策プログラムが策定され、2009年度末までに自治体に対して相談窓口の整備・強化する方針が盛り込まれました。千葉県では多重債務者は10万人程度と見られ、昨年度、県消費者センターと県内17市の消費生活センターに寄せられた相談件数は、3290件でした。先週5日、船橋市では多重債務者を支援する連絡会や専門相談窓口の設置を県内で先駆けて行い、続いて千葉県も各市町村や県弁護士会、多重債務者の支援団体を集めた対策本部を立ち上げるとのことです。また、数は少ないながら、低利で一定額の借り入れが可能な貸付制度の整備に向けて、公的機関や民間が取り組む事例も報告されています。そこで、以下2点について、伺います。
1点目の質問は、消費生活センターや法律相談等に寄せられた相談件数や内容についてです。この数年間どのように推移しているのか、また、相談に対応する人的配置や専門性など十分な体制が整っているのか、現状をお聞かせ下さい。
2点目は、問題解決に向けての課題と今後の支援体制についてです。
自己責任で多重債務に陥ったにもかかわらず行政が支援することに異論が唱えられる向きもありますが、この問題の背景には貧困や格差の拡大があり、自治体の果たす役割が求められています。多重債務者を救済することは、本人や家族の命や生活を守ることはもとより、滞った税金や保険料などの納入につながるケースも多く報告されています。当市でも庁内に連絡会議を発足し、債務の解消と生活再建のための支援体制を作っていただきたいと思います。それと同時に、予防のための教育や啓発活動を実効性のあるものにする必要があります。今後の積極的な取り組みを求めますが、ご見解をお聞かせ下さい。
以上で、第一回の質問を終わります。
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