入江 晶子
IRIE AKIKO

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9月議会質問内容  (2006年)

 議席1番、入江晶子でございます。
初めに、保育行政の現状と今後のあり方について、質問いたします。
1番目は、保育予算の現状と今後の見通しについてです。
千葉県商工労働部が昨年、「出産・子育て期における男女労働実態調査」を行なった結果、「女性の再就職支援」のニーズが女性では第1位に、男性では第2位にランクされました。県では12歳未満の子どもを持ちながら、再就職を希望している女性は約11万人いると推定しています。この結果を受け、県では更に「女性の再就職支援1万人ネット調査」をしたところ、仕事をしたくても、子どもの預け先がないという切実な声が多く寄せられています。「子どもが2歳の時に再就職し、派遣社員として働いているが、認可園には入れず無認可園に月6万円以上払って預けている。認可園と違い、無認可園は年齢が上がっても保育費は安くならない」「もっと保育園などの施設を作るべきである。再就職をしやすい環境をつくることで少子化問題も少しは解決に向かうのではないか」等々、そのほとんどが公立保育所や認可保育園の増設を望むものでした。佐倉市でもここ数年間、待機児童が増加していますが、市立保育園および民間保育園の定数増や民間保育園の新設によって対応してきています。一時保育についても8割がパート等の就労や定期的な通院、通学などによる利用となっており、待機児童の受け皿となっている感が否めません。そこで1点目の質問ですが、通常保育や一時保育の入所状況および現在の待機児童数について、お答え下さい。

2点目の質問は、国の保育予算削減に対する見解と当市への影響についてです。
国は、2004年度から公立保育所運営費を一般財源化し、2005年度からは保育所運営費の一部と施設整備費を次世代育成支援交付金という新しい制度に移行しました。この次世代育成支援交付金は、国が自治体に対し、最低基準の維持を保障してきた従来の制度とは根本的に異なり、最低基準の維持に満たない低額交付金を広く配分する制度となっていて大変問題のあるものです。児童福祉法24条の市町村の保育義務、及び同法53条保育の全国一律の最低基準を担保するための国・県・市町村の費用負担の義務付けは公的保育制度の根幹となってきました。しかし、この間の「三位一体改革」による一般財源化・交付金化は、その柱を壊し公立保育所を削減、民間を増設させる財政措置に他なりません。更に「官から民へ」規制緩和を進めてきた小泉政権の下では、保育におけるバウチャー制度の導入が提起されています。このバウチャー制度とは、子育て家庭に保育の利用補助券(クーポン)を配布するもので、現在、施設に対して出されている補助金をなくし、代わりに個人への給付に転換させるねらいがあります。それはすなわち、経済力に見合った保育園の選択を意味するもので、自己選択、自己責任による保育格差が発生し、他国の先行事例からも最終的には保育の公共性が失われる事態が起こりうるといっても過言ではありません。このような国の政策転換に伴い、佐倉市も厳しい状況に立たされていますが、その中にあっても公立保育園の運営にきちんと予算付けし、保育環境を低下することのないよう努力している市の姿勢は大いに評価されるべきだと思っています。そこで、佐倉市における保育予算と財源はどのように推移してきたのか、2001年度から昨年度について、伺います。併せて民間保育園への助成金についても市独自の加算を行なっているのかなど、お答え下さい。また、少子化対策といいながら実際は保育予算を削減している国の方向性に対するご見解もお聞かせ下さい。

2番目の質問は、認定子ども園についてです。
先の第164国会において可決された「認定子ども園」法が今年10月から施行されます。これは、幼稚園と保育園を総合施設として一体化するもので、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4つのタイプが認められます。知事が認定を行い、認定基準については文部科学大臣と厚生労働大臣が協議して定める国の指針を参考に県が条例で定めるとしています。国は、この認定子ども園創設の趣旨を次のように述べています。「少子化が進む中、幼稚園と保育園が地域に別々に設置されていると子どもの成長に必要な規模の集団が確保されにくいこと、子育てについて不安や負担を感じている保護者への支援が不足している課題が指摘されている。このような環境の変化を受け、幼稚園と保育所の良いところを活かしながらその両方の役割を果たすことができるような新たなしくみづくりとして、認定子ども園を創設した」ということです。聞き流すとなるほどと一見何も問題がなさそうな印象を受けるかもしれませんが、この制度はこれまでの公的保育制度を解体しようとする国の保育政策の一手法であり、大変問題があることが明らかになっています。そもそもこの認定子ども園の構想は、2004年12月の規制改革・民間開放推進会議の答申に盛り込まれており、幼稚園と保育園を一体化する際の施設設置基準について「現行の幼稚園と保育所に関する規制のどちらか緩い方の水準以下とすることを原則とする等、地域の事情に応じて多様な保育・教育ニーズに柔軟に対応する」としており、これまで維持されてきた子ども達の保育環境が規制緩和によって、なし崩しになる可能性が高いものです。また、認定子ども園の認定を受けた施設は保育所であっても、利用者と施設との直接契約となり、保育料も施設が設定、直接徴収することになります。市は保育に欠けている児童かどうかの判断結果を認定子ども園に通知しますが、入所を判断するのは施設側にあります。文部科学委員会の審議においても「設定された保育料を払えない事情が生じた場合、認定子ども園と自治体との間での調整が非常に難しくなるのではないか」など様々な意見が出されており、児童福祉法にある保育を受ける権利や自治体の保育実施義務に照らしても、明らかに問題が生じると考えます。更に、さきほど上げた4つのタイプの1つである地方裁量型は、幼稚園・保育所いずれの認可も持たない地域の教育・保育施設、つまり認可外保育園等が地方で定められた基準をクリアすることで認定子ども園となるものです。東京都の認証保育園がこの制度の先を行くものですが、待機児童解消のために安上がりで保育環境の悪い施設が増設されるのではと懸念されます。質問ですが、市は認定子ども園についてどのような見解をお持ちなのか、また今後の対応について、お聞かせ下さい。

3番目として、保育園民営化の検討状況と今後の進め方について、伺います。
保育園の民営化をめぐっては大阪、横浜、東京など各地で訴訟が提起されています。今年5月の横浜地裁判決では横浜市立保育園の民営化自体を違法とはしなかったものの拙速な民営化は違法と認定しました。民営化取り消しについては、既に2年以上が経過していることなどをあげ、取り消すのが原則だが、無益な混乱を引き起こしかねないとして請求は棄却、いわゆる事情判決としました。そして、在園児童が継続して同じ保育所で保育を受ける利益を法律上保護された利益と認め、保護者の精神的損害に対する損害賠償請求の支払いを市に命じています。以上のように民営化については未だ根強い反対論があると同時に行政が一方的かつ拙速に進めることに対する住民の不信感があります。質問ですが、市は保育園民営化について、現在までどのような調査・研究を行なってきたのか、伺います。福祉や子育て支援の観点からも財政削減が目的の民営化は道を誤るものであり、佐倉市が今後とも公立保育園直営を堅持し保育の公的責任を果たしていただきたいと思います。公立保育園の果たすべき役割を再確認し、長期的な視点から検討すべきと考えますが、今後の進め方について、お聞かせ下さい。


次に小中学校施設の耐震化について、伺います。

昨年秋に表面化した耐震強度偽装問題や地震災害に関する関心の高まりを背景に、文部科学省は都道府県単位で発表してきた公立小中学校施設の耐震化率について、今年度以降、市町村ごとのデータ公表とし、取り組みを加速させたい考えです。81年以降、震度7程度の地震でも倒壊しないよう設計基準が強化され、耐震化が促されてきましたが、耐震診断を全く実施していない自治体も約2割あり、地域間格差が浮き彫りとなりました。今年4月1日現在、耐震化された施設が全体に占める割合である耐震化率は54.7%、千葉県では50.7%でした。一方、総務省消防庁の調査によると、大地震の際に防災拠点となる公共施設において、耐震基準を満たす建物が2005年度末で56.4%にとどまっていることが明らかになっています。当市においても、学校施設が子ども達にとって安心して学習や課外活動に取り組める場となるよう、また、地域住民にとっても災害時に十分機能を果たせる避難所となるよう、早急に耐震化を進めていただきたいという観点から、現状と今後の取り組みについて、以下、3点質問します。

1点目、小中学校施設における耐震診断実施率と耐震化率について、伺います。

2点目、81年以前に建築された施設は老朽化も進み、耐震面からも不安がありますが、学校現場からはどのような声が上がっているのでしょうか。

3点目、教育費主要事業の長期計画では、平成18年度から平成22年度までの小中学校施設の改築・改造事業のスケジュールが示されていますが、今年度策定された後期実施計画での位置づけはどのようになっているのでしょうか。従来の計画通りに耐震化を進めるべきと考えますが、必要とされる事業費や財源について、お答え下さい。また、具体的に向こう5年間でどの施設が耐震化されるのか、優先順位とその考え方について、お聞きします。


次に、市立図書館への指定管理者制度導入に対する見解と今後のあり方について、2点、伺います。

2003年6月の地方自治法の一部改正により、公の施設の管理運営に民間事業者などの参画が可能となる指定管理者制度が創設されました。コスト削減の観点から公立図書館もその検討対象にあげられ、徐々にその動きが広がっています。(社)日本図書館協会が今年3月時点での全国公立図書館の指定管理者制度の導入状況について、調査を行いました。それによると、全国に1820ある地方自治体の中で、2005年度までに導入したのはわずか8自治体(0.44%)であり、今年度に導入予定の34を加えても2.4%に過ぎません。県内では野田市が制度導入を決定しました。来年度に関しては、44の自治体が導入を予定しています。その一方、指定管理者制度を導入しない方針を打ち出した自治体は、20都道府県と320の市町村となっています。

質問の1点目は、図書館協議会の答申についてです。佐倉市立図書館協議会は、
今年2月に図書館長から「これからの佐倉市立図書館の運営のあり方について」の諮問を受け、審議を重ねてきました。先月8月に答申が出されましたが、協議会の審議過程でどのような議論があったのか、また、答申の内容について、お聞かせ下さい。

2点目は、図書館の目的と理念に照らした今後のあり方についてです。昨年8月、日本図書館協会が公立図書館への指定管理者制度導入に対する見解を発表し、「公立図書館の目的達成に有効とは言えず、基本的になじまないものと考える」と述べています。その根拠として、以下の3つの理由をあげています。第一に、「図書館サービスの発展には図書館の連携・協力やネットワーク化の整備が不可欠であるが、競争関係に立つ民間企業者間でこのことを効果的に達成することは難しい」。第二に、「市区町村立図書館で行なわれている学校に対する出張サービス、地域とのつながりによる読書普及活動、地域資料の発掘収集などのサービスを民間企業者が行なうことは適切であるか疑問が残る」。第三として、「公共図書館事業はいわゆる事業収益が見込みにくい公共サービスであり、営利を目的とする団体が管理を行なうことには自ずと無理がある」。昨年度、佐倉市では第2次図書館整備基本計画が策定されましたが、この計画を着実に実現するためにはどのような管理運営形態が望ましいのか、ご見解を伺います。また、課題として認識されている点について、今後、どのように対応していくのか、お聞かせ下さい。


最後は、入札制度改革についてです。
佐倉市では昨年秋から電子入札が導入され、また、今年7月から物品等の購入を含むすべての入札案件が制限付き一般競争入札の対象となりました。指名競争入札は談合の温床とも言われていますが、当市でもこれまで9割前後を占めていました。国においても入札の適正化や官製談合防止にむけた法改正がなされていますが、つい先日も福島県発注の下水道整備工事談合が明らかになりました。当市においても、今後、公正で透明性が高く更にはよりよい地域社会の実現を誘導するための入札制度改革に一層取り組んでいただきたいという観点から、以下、2点、質問します。

1点目の質問は、電子入札導入や制限付き一般競争入札の対象拡大等による成果と課題についてです。2005年昨年度の契約状況について、前年度と比較してどの程度、落札率は下がったのでしょうか。落札率の低下による効果額についてもお答え下さい。また、今年4月に入札監視委員会が設置され、7月に第1回の会議が開かれていますが、委員会設置の経緯と人選についても併せて、伺います。

2点目の質問は、環境、福祉、男女平等参画、公正労働基準などの社会的価値を実現するための「政策入札」の考え方についてです。佐倉市でもコスト削減を目的とする業務委託が拡大されていますが、単に価格が下がればよいという性質の事業ばかりではありません。自治体は、ダンピングと呼ばれる不当廉売が行なわれることのないよう、また低価格競争によって地域に低賃金労働者を生み出すことのないよう努めなければなりません。そのために価格という単一要素で落札者を決定するのではなく、価格以外の要素である「公正労働基準」「環境への配慮」「障害者の法定雇用率」「男女平等参画の取り組み」など企業の社会的責任を含めて総合的に評価し、業者を選定する総合評価方式の導入を検討していただきたいと思います。この総合評価方式は、99年2月に地方自治法施行令が改正され、一般競争入札において導入が可能になりました。これを受け、各地の自治体で価格以外の要素を評価項目に追加する動きが出ています。大阪府では、庁舎清掃の入札で知的障害者や母子家庭の母親の雇用人員を評価項目に盛りこんでいます。また、千葉県でも2003年から入札参加業者資格審査基準の主観的事項に障害者雇用状況にかかわる評価点として、法定雇用率を達成している場合は点数を加算するという方法を取り入れました。2004年6月議会でも提案いたしましたが、当市においても優先すべき社会的価値を定め、入札制度に反映させるしくみづくりを早急に検討していただきたいと思います。入札参加資格者の新名簿を作成するための入札参加資格検討委員会が今年度中に開かれると聞いていますが、この中で具体的な検討ができないのでしょうか。また、入札検討委員会において入札制度改革を更に進めていただきたいと思いますが、今後の検討課題とスケジュールについてお聞かせ下さい。
以上で、第1回の質問を終わります。

 

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プロフィール

1965年 宮城県仙台市生まれ
1984年 宮城学院高等学校卒業
1988年 国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒業
精密機器会社入社
2003年 佐倉市議会議員初当選
現在 文教福祉常任委員会委員
市民ネットワーク会派代表
八ッ場ダムをストップさせる千葉の会事務局長
臼井中学校PTA役員
《家 族》 夫、息子2人(14歳、10歳)

2期目
総務常任委員会
会派代表

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