| 1. 印旛沼にかかわる治水問題について
初めに、印旛沼にかかわる治水問題について、2点、質問いたします。
1点目は、臼井第2機場に流入する都市排水についてです。この機場は昭和43年に国営印旛沼開発事業により造成されたポンプ場であり、農業用水を供給する機能と流域の排水を印旛沼に排水する機能を果たしています。施設の維持管理は印旛沼土地改良区が行なっています。設置当初の流域は農地が広がっていましたが、その後、稲荷台、王子台等の大規模な宅地開発が進みました。現在は流域面積の90%が市街化され、都市排水が沼の外側の低地排水路に集められ、臼井第2機場に流れ込んでいます。大雨の際、非常時用ポンプで毎秒4トンの汲み上げが行なわれていますが、市街地からのペットボトルや空き缶などゴミも大量に漂着するため、排水に支障をきたさないよう土地改良区の組合員が昼夜を問わず、取り除き作業に駆けつけているそうです。96年には周辺が床下浸水したこともありました。造成後40年近く経過し、耐用年数や設備能力ともに超えているとのことですが、今後、対応不可能という不測の事態も起こりうるのではないか、地域住民として危惧しています。質問ですが、これまで市は臼井第2機場の維持管理に関し、印旛沼土地改良区とどのような話し合いを行い、財政面をふくめ対応してきたのか、伺います。
また、流入水のほとんどが都市排水であることからも市の果たすべき役割が問われていると思います。この流域は調整池もなく、また古い住宅地が多いことから雨水浸透枡の設置率も低く雨水の流出抑制も難しい状況ですが、地域住民に情報提供するなど、より積極的な働きかけを行なっていく必要があるのではないでしょうか。併せて、今後、この流域の都市排水対策について、印旛沼を管理する水資源機構や千葉県と協議する必要があると考えますが、見解をお聞かせ下さい。
2点目として、利根川水系河川整備計画策定への対応について、伺います。今年2月14日、国土交通省は利根川水系河川整備基本方針を策定しました。それに先立ち、私は昨年12月議会の質問の中でこの基本方針の策定過程の問題点と非現実性について取り上げたところです。具体的には、国交省が示す方針案はダムなどの水源開発ありきで科学的なデータに基づいた検証を行なわず従来の工事実施基本計画をそのまま踏襲していること、治水の基準地点である八斗島の洪水流量毎秒22,000トンが過大であるため、引き続き実現不可能な内容となっている、等々です。佐倉市に最も関係する内容として、利根川放水路計画の変更があげられます。新しい利根川放水路計画では、洪水時に利根川から印旛沼に毎秒1000トン流し、沼を調整池として活用、新川、花見川経由で東京湾に放流することになっています。しかし、印旛排水機場の対応能力は毎秒92トンであり、毎秒1000トンを受け入れるためには11倍もの施設規模が必要です。また、大和田排水機場は毎秒120トンの対応能力ですが、更にパワーアップし、沼の掘削も行なうことになります。しかし、現時点でも自流域の洪水対策で手一杯であり、印旛沼放水路の大幅な拡幅は不可能に近い状況です。今月3日と4日、私は水や環境問題の専門家、ジャーナリスト、流域の市民四十数名と共に利根川の上流から下流にかけて、治水計画上のポイント地点を視察してきました。上流から綾戸堰、八斗島水位流量観測所、利根大堰、渡良瀬遊水地、カスリーン台風の決壊箇所である大利根町のカスリーン公園とスーパー堤防工事、栗橋水位流量観測所、関宿水門、利根運河、稲戸井調整池、北千葉道水路、そして印旛沼と下ってきました。その中で水資源機構や国交省関東地方整備局河川事務所の職員から説明を受け、また国の進める理不尽な治水工事から今ある自然環境を守るために長年闘って来た市民団体の運動の成果について、直に聞くことができました。そして、現在、国交省が進めている治水計画は官僚が机上の理論でつくり上げた単なる数合わせの内容に過ぎず、必要性もなく実現性もない公共事業を何十年にもわたって延々と続けるための公共事業ありきの延命策であるばかりか、流域の豊かな自然環境をも破壊しそこに暮らす住民の生活をも蹂躙するものであると実感してきました。そこで質問です。このような国交省の無責任な治水方針に対し、流域自治体としてどのように捉えているのか、所見を伺います。
国交省が利根川水系河川整備方針を策定し、次の段階としてその方針を具体化する整備計画を策定することになっています。現在、関東地方整備局と各事務所が計画の策定作業を始めており、今年度中に原案が示される予定と聞いています。この計画は、利根川の治水、利水にとどまらず、環境、まちづくり、農林漁業や観光などとも深くかかわり、流域住民の将来や暮らしを大きく左右する可能性があります。97年に改正された新河川法では河川整備計画の策定に際し、関係住民の意見を反映させることとしています。市民サイドでは利根川流域の住民の声を結集し、住民参加が保障される流域委員会を設置させる運動を展開しているところです。佐倉市も関係自治体として積極的に情報収集し、整備計画への意見反映を行っていただきたいと考えますが、今後の対応についてお聞かせ下さい。
2.水道事業運営の理念と今後の方向性について
次に水道事業運営の理念と今後の方向性について、お伺いします。
今年3月、メキシコシティで第4回世界水フォーラムが開かれました。この世界水フォーラムとは、世界中の水問題を研究するシンクタンクである「世界水会議」が各国政府や国際機関の協力のもと、3年に一度開催している国際会議であり、地球規模の水の汚染・枯渇問題としての「水危機」の解決には水供給施設に対する民間資金の導入が不可欠であるとして、積極的な民営化政策を進めています。一方、世界水フォーラムに並行する形で「水を守るための国際フォーラム(IFDW)」がNGOや農民団体、労働者たちによって開かれ、「清潔な水にアクセスする権利は基本的人権であり、人権保障である。全ての人に安全な水を!水の民営化に反対、公営水道を整備せよ」と訴え、対抗しています。経済のグローバル化に伴い、水の商品化による貿易取引き、水道事業を利潤追求の手段とする動きが進んでいます。日本の水道事業もこのような流れの中にあり、2002年改正水道法の施行による包括的第三者委託、地方公営企業への民間的経営手法の導入推進、2003年地方自治法改正により水道事業の公設民営化方式が可能になるなど、次々と規制緩和による「民活・民営化」が促進されています。国内の水道料金は総額3兆円にも達するといわれ、財閥系が出資する企業2社を筆頭に民間委託によるビジネスチャンスを狙っています。その第1号が広島県三次(みよし)市であり、2002年11月に水道施設の運転管理業務をジャパンウオーターに全面委託しました。水道事業は地方公営企業法の適用を受け、事業体が一定の権限を持って事業を営んでいますが、水道法にも市町村経営の原則が規定されていることから自治体が本来的な責任を持ち地域住民に受益を与えなければなりません。地方公営企業法第3条は「地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように経営されなければならない」と規定しています。経済性と公共性の調和を経営原則としていますが、両者のバランスをどのように考えるかによって、地域住民の福祉に違いが生じます。現在、国が主導する官から民への行財政改革によって、様々な分野での受益者負担増、住民福祉の後退が進められていますが、水道は私たちの生活基盤の根幹ともいえる社会資本であり、生存権にかかわる極めて公共性の高い事業であるという当たり前の前提を再確認しなければならない状況です。佐倉市の水道事業にあっては今後とも情報公開を進め、住民の合意を得ながら地域に適した運営を行なっていただきたいという観点から、以下、質問します。
1点目、佐倉市の水道事業もこれまで職員削減や民間への業務委託等を行なっていますが、専門技術の継承や危機管理の対応など問題はないのでしょうか。現状と今後の方向性について、伺います。また、国が進める民活・民営化路線に対するご見解をお聞かせ下さい。
次に、今年度から2010年までの計画となっている「佐倉市水道事業実施5ヵ年計画」の事業内容と財政見通しについて、3点、伺います。
1点目は、水需要予測についてです。現在、水道水の65%を占めている地下水の揚水量や印旛広域事務組合水道用水事業からの受水量、費用負担をどのように試算していますか。
2点目、浄水場施設の改修や配水管布設替え等の施設整備にかかわる計画と財政措置について、伺います。
3点目は水道料金についてです。総務省によると、2004年度地方公営企業法が適用される水道事業体1752団体の20%は赤字収支で、2005年4月までの1年間に93事業が平均5.9%の値上げを行なったとのことです。過大な水需要予測を基にダム開発が進められ、料金値上げにつながっています。佐倉市においても99年度をピークに配水量は減少しており、2001年に水道料金の値上げを行ないました。今後、料金収入の増加は見込めないと考えますが、料金改定について、どのように考えているのか、お聞かせ下さい。
3.(財)佐倉市振興協会の今後のあり方について
最後に、(財)佐倉市振興協会の今後のありかたについて、3点、質問いたします。
1点目は、平成18年2月13日に提出された住民監査請求に対する監査委員報告についてです。監査請求の主な内容は、「佐倉市長に対し、同市長が平成17年12月30日から平成18年2月17日までの間、金融機関および振興協会との間で、総額7億8572万9028円を限度とする損失補償契約を内容とする損失補償契約の履行を差し止め又は破棄するよう勧告すること、将来同様な損失補償契約を求められてもこれに応じないよう勧告すること等の是正措置を求める」というものです。請求人は、市が損失補償契約を締結したのは、違法・不当であると主張していますが、監査委員はこの主張を退け、「棄却」の結果を出しました。請求人の主張は次の通りです。(1)損失補償契約は純然たる二者間の契約であるにもかかわらず、本件が振興協会も含めた三者間の契約となっている(2)損失補償金額が「協会」の債務額と同額で元利合計額、遅延損害金にまでに及ぶ全額とされている(3)損失補償の時期について損失確定後、金融機関がいつでも請求できるとされている。従って、この補償契約は、損失補償契約に名を借りた実質的には民法上の債務保証契約と異ならず、「政府または地方公共団体は、会社その他の法人の債務については、保証契約をすることができない」と定めた「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」第3条に違反し違法であるという主張です。これに対し、監査委員は次の理由から市が締結した補償契約は正当なものであると判断しました。債務保証は法律で禁止されているが、損失補償契約は特別に法令の根拠は必要とせず、国や当該自治体の裁量により許されること、総務省が示した第三セクターに関する指針では原則的に損失補償は行なうべきでないとされているが、真にやむをえない場合は行ないうること、その場合の条件として、その保証内容及び必要性、対象となる債務の返済の見通しとその確実性があるか否かを十分吟味すべきである、という理由です。そして、前述した請求人の主張、3点について次のように反論しています。(1)形式的外見的には債務保証と区別がつかないとしてもあくまでも内容で判断すべきである。三者間契約の形をとっているが契約履行の内容、期限等、契約の根幹をなす権利義務条項はもっぱら佐倉市と金融機関の2者であり、協会を権利義務の主体とする契約条項は存在しない。(2)損失補償契約の柱はその補償限度額が明記されていることにあり、その限度額が「協会」の債務内容と同一かどうかは本質的なものではない(3)金融機関からの損失請求については「協議」と「同意」という文言があるので、民法上の保証債務履行請求とは本質的に異なる。従って、今回の補償契約が実質的に民法上の債務保証契約であるとまでいえないと判断しています。更に、先ほどの総務省指針にある例外ケースに当てはまらないか、損失補償の必要性、やむをえない事情が認められるのか検討しています。そして、佐倉市が平成16年以降、金融機関から融資継続の実質的な条件として損失補償契約の締結とそのための債務負担行為を求められたことをもって、やむをえない事情と判断しています。その一方、監査委員はいかに必要性が認められても損失補償契約を締結する段階において、協会の財務状況が実質的に破綻、もしくはそれに至らないまでも客観的に金融機関の債務返済見込みがほとんどないような状態であったとすれば、書面上は損失補償契約であったとしても、初めから損失の発生が確実であれば、実質的には許されない債務保証契約の脱法行為であると述べています。しかし、振興協会が佐倉市に提出した平成18年3月31日付の貸借対照表等から協会の債務超過は認められず財務状況は破綻していないと判断し、今回の補償契約は真にやむをえないものと結論付け、監査請求を棄却しました。
そこで、監査委員にお伺いします。監査報告書では、損失補償契約と債務保証契約の違いについて、矛盾があります。監査委員は「本件補償契約が債務保証であるか否かについては、契約の形式や外見だけで判断することは相当でなく、あくまでも内容によって判断されるべきである」と述べる一方、もう一方で「協会の財務内容が破綻している状況とはいえず、損失補償が不可避であるとの切迫した事情も見当たらない」と矛盾した主張を行なっています。平成10年度から毎年、監査委員は振興協会の財務状況の悪化を指摘し、その改善措置を求めてきた経緯がありますが、今回との整合性がありません。本来、監査には公正・公平性や客観性が求められるものですが、本件契約については、初めから「債務保証ではなく損失補償である」との結論ありきの審査ではなかったのか、疑念がもたれます。なぜなら、この契約を債務保証と認めれば、ただちに違法行為に当たるからです。しかし、客観的状況から判断すれば、この契約は実質的に「債務保証」にあたるといえるのではないでしょうか。不動産資産の売却が予定価格で成功することを前提とした監査委員の判断はこの契約が脱法行為ではないと結論づける理由付けにほかなりません。監査は公平・公正な立場に立って厳正に行なわれたのか、お答え下さい。
2点目は、振興協会の清算の意味と時期を含めた今後のあり方についてです。
振興協会は補償契約締結後、金融機関と利率引き下げの交渉を行なった結果、現在の借入先は三菱東京UFJに一本化され、6億8466万円の借り入れとなっています。佐倉市の100%出資法人という信用貸しで長期間無担保融資を行なってきた自らの貸し手責任を不問にしたまま損失補償契約を迫り市民の税金で穴埋めするよう求める金融機関に対し、市がそのまま応じる姿勢は間違っています。あくまでも市の責任は出資の範囲内という原則を再認識すべきです。また、第三セクターに関する総務省指針においても経営悪化時における速やかな対応が明記されているわけですが、これまで振興協会の歴代役員の経営責任について明確に問われていません。行政の「不作為の作為」「問題先送り体質」の典型といわれても仕方がありません。そこで市長に伺いますが、現時点で振興協会の今後のあり方について、どのように考えておられるのか、お聞かせ下さい。昨年12月議会で市長は3つの選択肢をあげ、検討中であると答弁されました。1つは清算処理をして解散、2つめは他の財団法人と整理統合、3つめに施設管理業務だけを行う団体として継続ということです。振興協会は今年度から3年契約で市内の体育施設や公園管理の指定管理者となっており、また、今年度の収支予算書と事業計画書からも存続の方向性と見受けられます。しかし、市があくまでも債務保証ではなく損失補償契約であると主張するのであれば、法人の清算、つまり解散が前提としてあるはずであり、振興協会の清算の時期は平成19年3月31日ということになります。その場合の法的手続きについて研究や準備を進められているのでしょうか。また、清算が単なる借入金への完済補償であれば、本件契約は違法行為である債務保証契約となりますが、ご見解を伺います。
3点目は、岩富用地の売却見込みについてです。岩富用地県道わきの約4ヘクタールと岩富用地集落よりの約4.2ヘクタールで6億円、そして県の土地開発公社所有の約2.2ヘクタール1億円をあわせての用地売却の見通しはどのようになっているのでしょうか。この用地売却が振興協会の財務状況を左右しており、売却が進めば借入金返済の見込みが立つので、債務保証契約の脱法行為には当たらないとの判断の論拠になっています。しかし、売却見込みがたたないのであれば、振興協会は明らかに債務返済できない破綻状態といえるのではないでしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。
以上で第1回の質問を終わります。
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