大野博美 質問内容


平成19年9月定例県議会

ひろみの活動日記
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活動日記
 

山砂採取
 房総半島中西部、君津市を中心とした地域では、1960年代から首都圏のビル建設や埋め立てに使われる山砂が大量に運び出されてきました。その量は実に8億立方メートル、東京ドーム645個分に相当します。そして今回、羽田の新滑走路建設のために、更に3,000万立方メートル、東京ドーム24個分の山砂が削りとられます。産業という名のもとに、山を丸ごと削る環境破壊が進んでいます。また、木更津市や君津市内を運搬用のダンプが走り回り、市民生活にさまざまな影響が出ています。

まず、知事におたずねします。
1.羽田空港再拡張に伴い、県内から山砂採取を行うことを知事はいつ知ったのか。それに対し、反対をしなかったのでしょうか。

次に山砂運搬についてお尋ねします。
1.ダンプの時間外走行など、ルール違反が目に余ります。港のストックヤードを羽田専用とそれ以外にしっかりと分化させ、時間外は受け付けない、あるいは鎖で入れなくするなど規制を強化すべきと考えるがどうか。また、プレート不携帯、ルート以外の住宅地の走行、過積載など、ルール違反のダンプに対する対策はどうか。
2.国や県、事業者などで構成される山砂安全連絡会は傍聴不可能の秘密会であり、議事録もメモ程度だけです。しかし市民に甚大な影響を与えているのですから、誰でも傍聴でき、議事録を公開するなど、情報を徹底的にオープンにした開かれた会議運営にするべきと考えるがどうか。また、住民説明会の実施についてはどうか、あわせてうかがいます。
3.9月中旬からETC搭載の山砂ダンプが高速道路を利用する取組が始まっているが、どこが高速道路料金を負担をするのかうかがいます。
4.山砂運搬計画では、山砂を運んだあとのカラ車に産廃を積むのはだめであるが、残土を積むことはかまわないとしています。しかし、県外から持ち込まれる残土には汚染土壌や産廃まじりのものが大変多く、県内各地に運ばれたあとの環境汚染が懸念されています。羽田景気で空前の量のダンプが走り回っている現在、山砂採取場などへの違法な残土投入が行われないよう、これまで以上に指導を徹底する必要があると思うが、どうか。

次に環境面についておたずねします。
山砂採取が環境に与える影響は測り知れません。しかし、環境アセスの対象は最初の10年間で30ヘクタール以上の採取場と決まっているので、その裏をかくように、ほとんどの採取場は最初の10年は30ヘクタール以下で始めます。そしてだらだらと10年、20年と面積を広げながら最終的には50ヘクタールに達するものもありますが、それとてもアセスの対象にはならないのです。
また、山を削るということは重石がなくなることなので地盤隆起が起こると言われています。実際1982年に、国土地理院地殻調査部の多田尭さんは、富津市の旧浅間山(せんげんやま)周辺の山砂が大量に採取されたことにより、8センチから5センチの地盤隆起が起きたと論文で発表しています。これは地震に換算すると、マグニチュード7.6に相当するエネルギーだと言いますから、人間の破壊力のすごさに改めて驚きます。また地下水系もズタズタに切り裂かれます。
このような大規模な環境破壊である山砂採取を所管しているのが、砂利採取法であり千葉県土採取条例ですが、どちらも「災害防止」の視点だけで環境保全の視点が全くありません。そこでうかがいます。
1.千葉県土採取条例に、今後環境保全の視点を盛り込むべきと考えるがどうか。
2.山砂採取では、森林法に基く林地開発の許可が必要となります。森林法では、森林が持っている4つの機能、すなわち災害防止機能、水害防止機能、水源涵養機能、環境保全機能に著しい悪化をもたらすものは開発を許可してはならないことになっていますが、山砂採取がこれら4つの機能を著しく悪化させないと千葉県が考える根拠は何か。
3.山砂採取が終わったあとは緑地復元することになっていますが、山が切り取られたあとの大きな穴に土を入れて平らにし、木の苗を大体2メートル間隔で植えます。ほとんど勾配がない平面なので、水はけが悪く、8割が枯れている跡地もあります。地形がすっかり変わり、土壌の栄養分も失われ、造成林が根付くまで何年もかかるので、動植物など元々の生態系が壊滅的な打撃を受けることは避けられません。知事は昨年12月国に対し、「山砂採取の跡地を森林に復元するよう、県の指導に合わせて国も事業者等を指導すること」と申しいれていますが、この場合の「復元」とは生態系保護、すなわち生物多様性の視点は含まれているのか。いないとしたら、今後善処すべきと考えるがどうか。




次に 旭市、銚子市、東庄町にまたがる産業廃棄物処分場をめぐる行政訴訟、いわゆるエコテック裁判について質問します。
 この裁判は、2001年3月、沼田前知事がエコテックの設置許可を出したことに対し、地元住民が環境悪化と健康被害を理由に、県に許可の取り消しを求めて同年5月に起こしたものです。以後6年間に渡り、原告をはじめ地元住民の方々は、手弁当で困難な裁判と取り組んでこられました。
 今年8月21日、千葉地裁は「エコテックの経済基盤に問題があり、処分場の適正管理は困難で、有害物質が周辺住民に重大な危害を及ぼす恐れがある」と主張し、「経理的基礎については、法の要求する程度を満たしていないにもかかわらず、許可した千葉県の処分は違法である」と判断しました。
これに対し、9月4日堂本知事は「審査書類には記載のない債務など知りようがなく、実態把握は事実上困難。判決は現行審査制度の枠を超えた審査を県に要求するものである」として控訴しました。控訴理由の中には、住民が問題にしてきた環境問題に対する言及は一切ありません。ひたすら「法律の範囲内で粛々とやってきたのであり、知らなかったものを追求されても仕方が無い」という論調です。
しかし、今回の地裁判決では、法律の範囲内でも県の事務処理は不十分だったと判断しました。つまり、産廃処理施設の設置許可は法定受託事務ですが、その範囲内でも十分事業者の経理的基盤の審査はできるはずだ、ということです。

そこで質問です。
1.千葉地裁での住民勝訴のあと、「知事は控訴しないでください」という市民の署名が短期間にもかかわらず4,000筆以上も集まり、知事は業者よりも住民の側に立ってくれるだろうと、多くの県民が期待しました。このことを知事はどのように認識していますか。
2.県は今回の地裁の判決を不服として、「産廃処理施設の設置許可の審査における、経理的基盤に係る具体的かつ客観的な審査基準を明確にすること、という要望を国に出しましたが、「基準を明確化」することを国に求めることは、より国の関与を強めるものであり、地方自治の放棄、自主性の喪失に等しいと思うがどうか。
3.廃棄物処理法は、平成9年、10年、そして12年と改正が続いています。法律的にはまだまだ見直しや改善の余地があると考えられます。その中で、国に対し明確な基準の設置を訴えるより、地域の実情を最優先し、地方分権を具現化するために、より幅広い地方の裁量権を求めていくことのほうが重要であると考えるがどうか。
4.今、控訴することは「県は正しい審査を行い許可をした」、つまり、「この業者が経営的基盤を持っており、当該施設の建設が周辺環境および住民の健康になんら悪影響を及ぼさない」と判断したということになるのではないか、見解を問う。
5.県は「控訴することが現行制度の不備を国に訴えることにつながる」と言っていますが、とても理解できない理屈です。7年前、せっかく県が不許可にした処分を国がくつがえした時点から、住民と一緒に法の不備を国に訴えてくるべきではなかったのか。
6.大量生産・大量廃棄の構造が産業界にある限り、産廃、そして処分場はなくなりません。このツケを払わされているのが、処分場計画地の住民です。産業界の構造を変え、廃棄物を極力出さない社会に変えていくことに努力を傾けることこそ、本来の県の責務と考えるがいかがか。




横須賀米軍基地のしゅんせつ土砂の房総沖海洋投棄について質問します。
米軍横須賀基地に来年8月より原子力空母ジョージ・ワシントンが配備されるにあたり、現地12号バースでは水底土砂の浚渫が8月から始まりました。来年5月まで総量60万立米の土砂が、房総沖100キロの海洋に投棄されることになり、すでに連日のように投棄が始まっています。問題は、米軍基地12号バースの水底土砂が、基地から流入する有害物質でかなり汚染されていることです。
防衛施設庁が97年から1年間実施した12号バースにおける土壌及び地下水調査では、鉛・水銀・六価クロム・砒素・カドミウムなどが、基準値を相当に超える値で検出されました。
これを受けて、神奈川県保険医協会公害環境対策部では過去8年間、横須賀基地前の魚類実態調査を実施してきましたが、魚の畸形が多発していることが明らかになっています。特に、12号バースの岸壁が崩落したり、くい打ち工事をした後に、ハゼの背骨が曲がる異常が多発していることから、汚染された海底の泥が崩落や工事で巻き上がり、泥の中に棲息するエサをハゼが食べて起きる、食物連鎖による異常だと考えられます。
 今回の海洋投棄は、防衛施設局が提出した水質及び水底土砂の分析結果が基準をクリアーしているということで環境省が許可したものですが、検査結果には疑問が残ります。昨年12月の分析調査では、水底土砂には基準値の7倍の硫化物が含まれていました。ほかにも、基準値以下ながら、水銀、鉛、砒素、ダイオキシンなどが検出されています。今年5月の分析調査では、魚介類に有害な環境ホルモンであり現在では使用が禁止されているトリブチルスズが、基準値20ng/lであるところ、調査地点6箇所のうち3ヶ所でぎりぎりの19ngとなっています。しかもトリブチルスズに限って2度検査を行っているフシがあり、データ改ざんがあるのではないかと市民団体が横浜裁判所に求釈明申立を行いました。
 このように大変問題のある土砂が投棄される地点は、房総半島から100キロ離れてはいますが、黒潮が銚子沖へと流れていますから、千葉県の漁場に影響を与える恐れを否定できません。

そこでうかがいます。
1.県は県民だより9月号で「千葉県水産業がめざす姿」として、「豊かな生態系と水産物資源に恵まれた自然環境の保全と回復」という方針を発表したばかりです。今回の海洋投棄は、まさにこの方針に反する行為として、国に強く抗議すべきと考えますが見解はどうか。
2.防衛省へのヒアリングでは、投棄地点は水深2,000メートル以上あり、シミュレーションの結果半径7キロにわたって拡散するとのことでしたが、これは海流を無視した推計であり、また海底にどのくらいの浚渫土が積もるかということも把握できていませんでした。有害物質は海中で拡散するから影響がないというのは間違いで、生物の体内に取り込まれると、食物連鎖によって魚類の体内に蓄積する可能性を考えねばなりません。千葉県としては、浚渫土砂の分析と横須賀の12号バース付近の魚類調査を、防衛省ではなく第三者機関でやり直すよう国に求めるべきと考えるがどうか。また、安全が確認できるまで、海洋投棄を中止するよう求めるべきであると考えるがどうか。




次に(仮称)酒々井インターチェンジについて質問します。
 私は、酒々井インターチェンジについては昨年より、無駄な公共事業の典型であると、さまざまな疑問点を指摘してまいりました。特に、酒々井インターが2010年3月に完成することを条件に南部開発地域に進出を決めた外資系企業WDJについては、実体のない幽霊会社であることを再三指摘しましたが、あんのじょう今年6月に進出が白紙撤回となりました。そして、その日本人スタッフもどこかへ雲隠れと、私の懸念したとおりの展開となっています。WDJが来なくなったとたん、完成期日も1年延びたことから、ひょっとして、この外資系企業は、塩漬けだったインター計画を動かすためのダミーだったのでは、と疑わざるをえません。当初は、WDJが来るから高規格のインターを作ろうということだったのに、現在は、立派なインターを作ればどこかいいところが来てくれるだろうと、本末転倒状態になっています。

そこで、うかがいます。
1.今年度予算として、都市再生機構が負担する10億円が事業計画に入っていますが、9月補正に計上されなかったのはなぜか。
2.平面Y字型をトランペット型に変更したとき、1日利用台数の増加が根拠として出されましたが、その後数字の根拠となったWDJが撤退しました。今後全く違う企業が来るのですから、数字の見直しをするべきではないでしょうか。
3.現場周辺にはオオタカ、サシバが棲息していると聞いています。県も環境調査に入っているとのことですが、現状はどうか? また、営巣が確認された場合はインターの設計変更もありえるのでしょうか。




北千葉道路事業に係る北印旛沼ヨシ原造成について
 県立自然公園の特別地域に指定されている北印旛沼を横断する「北千葉道路」及び「成田新高速鉄道」事業について、環境大臣は、絶滅危惧種「サンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に、代償となるヨシ原造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保するとともに、適切に管理すること」という異例とも言える意見を県に示しました。
 これを受けて、県は日本ではなじみのない生息環境評価手続きである「HEP手法」を用いた「環境影響評価に係るヨシ原造成に関する検討報告書」を作成し、その結果をうけて「代償措置としてのヨシ原造成工事」を昨年8月より開始しました。
 しかし、この人工的なヨシ原が本当に有効なのか、そして事業の影響を受けることなくサンカノゴイが繁殖するのかどうか、危惧されています。

そこで伺います。
1.「HEP手法」を適用する場合、評価対象種について、えさや繁殖などの生存条件がしっかり把握されて
いる必要がありますが、サンカノゴイについて既存(きそん)の知見はほとんどありません。そこで、「検討報告書」では、北印旛沼での17個体の確認をもとにサンカノゴイの生息条件を設定しています。
しかし、統計的手法を用いて設定するには個体数が少なく、それに伴うリスクを回避するために相当の安全率を加味する必要があります。設定した生息条件の妥当性、安全率について見解を伺います。
2.南側のヨシ原造成地では工事が進み、北側は現在入札段階にあります。これら造成地の選定などについて、「検討報告書」に対する知事意見では、「サンカノゴイ等湿地性稀少鳥類の個体数が確保されるよう、細心の注意を払い、ゆとりをもって慎重かつていねいに行う必要がある」「そのため、部分的に造成を行いながら影響を調査し、状況に応じて造成計画を手直しする順応的管理を行う」としています。 そこで伺います。
(1)現況調査ではサンカノゴイ生息地は道路、街灯、家屋から最低310〜320b離す必要がありますが、「南側造成地」は、300メートル前後の部分が相当あり、騒音や照明などの影響が心配されます、
  一方、「北側造成地」は、船着場が近くサイクリング道路が隣接するなど「検討報告書」でも評価が低い場所です。
   このように2か所とも「ゆとりをもって安全率を加味して選択された場所」ではなく、限られた選択肢から消去法によって残された場所といえます。
6億円余りをかけて造成するこの人工的なヨシ原がサンカノゴイの生息場所となり、個体数が確保される保証は低いと考えられますが如何か。
(2)これまで指摘した問題点を緊急に検討するとともに、状況に応じてタイムリーに造成計画を手直しする順応的管理を行うためには、庁内の環境部門及び専門家の継続的で責任のある関与を保障する「検討委員会」などの組織を直ちに立ち上げるべきと考えますが如何か。




次に有機農業について質問します。
昨年12月の有機農業推進法施行を受け、農水省は4月、今後5年間における有機農業推進の基本方針を策定し、研究開発や技術の普及、生産・流通など多岐にわたる有機農業への支援をすすめていきます。これを受けて、千葉県では今後推進計画を作ることになりますが、環境保全の側面を強く持つ有機農業は、生物多様性ちば県戦略の視点からも、これからの千葉県にとって大変重要な施策であると言えます。また、有機農業は農薬・化学肥料を全く使わない点で、これまで県が進めてきた「ちばエコ農業」とは根本的に違う農法です。

そこでうかがいます。
1.県は今後、有機農業をどのような認識に立って進めようとしているのか。
2.平成23年度までに計画策定からその実施までにもっていかなければならないが、どのように進めて行くのか。
ここで要望を3点あげさせていただきます。
要望
1.農林水産部の中に、千葉県内で有機農業を具体的に推進するための研究・開発の体制を確保し、およびそれを執行・推進する体制を整備すること。
2.有機農業への新規参入者への技術的支援、および無利子での融資制度など経済的支援を行うこと。
3.流通・販売面での支援、消費者の理解を深める取組、普及指導員の能力開発・研修など、有機農業を推進するために十分な予算を措置すること。

最後に遺伝子組換え作物についてうかがいます。
遺伝子組換え作物交雑防止に関する指針検討委員会では、一般作物との交雑防止の距離をどのくらいとるかなど、国並みの基準でよしとする多数派と、国以上北海道並みの厳しい基準を設けるべきとする少数派に意見が別れており、いまだ結論が出ていません。検討委員会の構成には最初から問題があり、もっと幅広く公正な人選をすべきであったことを指摘して、質問に入ります。
1.指針策定にあたっては、消費者および農業者等の参画によるタウンミーティングを県内各所で開く必要があると思うがどうか。
2.新しいリスクコミュニケーションの手法として、北海道のような市民参加の「コンセンサス会議」を設置すべきと考えるがどうか。

そして1点のみ要望させていただきます。
今後、千葉県の農業が活性化するかどうかは、消費者が積極的に千葉県産の農産物を食べてくれるかどうかにかかっています。消費者の不安が大きい遺伝子組換え作物に関しては、国並みの基準に甘んじて消費者の失望を買うより、国以上の厳しい基準を作ることが、消費者へのこの上ないアピールになり、千葉県産農産物の評価を押し上げるものであると考えます。よって、先進する他県より勝るとも劣らない厳しい交雑防止の基準を定めることを強く要望します。



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